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請願

平成29年3月1日配付

産業労働常任委員会付託

最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書提出の件
                                          


1 受理番号   第43号

2 受理年月日  平成29年2月22日

3 紹介議員   庄 本 えつこ
 
4 請願の要旨
 アベノミクスによる“異次元の金融緩和”によって、大企業の内部留保は増えたが、労働者の実質賃金は下落し、消費支出も減少し続けている。“雇用の流動化”が推し進められ、非正規雇用労働者が全労働者の4割に達し、労働者の4人に1人が懸命に働いても年収200万円以下というワーキング・プアに陥っている。低賃金で不安定な仕事にしか就けず、自立できない人が増え、2015年の婚姻率は0.5%、出生率も1.45に落ち込み、少子高齢化がますます進行し、更に親の貧困が子供たちの成長・発達を阻害するという“貧困の連鎖”も大きな社会問題となっている。
 2016年の改定による地域別最低賃金は、最も高い東京都で時給932円、兵庫県では819円、最も低い地方は714円である。毎日フルタイムで働いても月11万円から14万円の手取りにしかならず、これでは憲法が保障する“健康で文化的な最低限の生活”はできない。しかも、時間額で218円にまで広がった地域間格差が、労働力の地方からの流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる要因となっている。地域経済を再生させる上で、地域間格差の是正と最低賃金の大幅な引き上げが必要である。
 安倍首相は、「最低賃金を毎年3%程度引き上げて、加重平均で1,000円を目指す」「GDPにふさわしい最低賃金にする」として、現在の最低賃金の低さを認めた。しかし、年3%の引き上げでは「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」とした「雇用戦略対話」での政労使三者合意を先延ばしすることになる。政治的判断で、直ちに1,000円へ引き上げるべきである。
 併せて、中小企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策を拡充すると同時に、最低賃金を改善することは、景気刺激策として有効である。さらに公正取引の確立の点から見ても、最低賃金を生活保障水準に引き上げ、企業間取引の力関係の中で単価削減・賃下げが押しつけられないようにし、適正利潤を含んだ単価を実現させることが大切である。
 最低賃金法第9条には、「最低賃金の原則」として「労働者の生計費と賃金」に先進国では例のない「支払能力」が併記されている。大企業の経済活動に大きく左右される指数が地域ランクの判断要素とされ、政府や使用者側は、これを理由に、最低賃金を劣悪な労働条件の多い小零細企業の労働者との賃金で比較している。そうした「生計費」原則を無視した地場賃金を低く抑える動きによって、地域間の賃金格差が固定・拡大され、地域経済の疲弊を進行をさせている。
 憲法では「すべて国民は、法の下に平等」「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とされ、労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」としている。最低賃金法第9条は、最低賃金は生活保護水準を下回ってはならないとしている。
 よって、最低賃金の地域格差をなくして大幅に引き上げ、中小企業支援策の拡充のため、下記の事項を内容とする意見書を国に提出するよう要望する。

1 ワーキング・プアをなくすため、政治決断で最低賃金をすぐに1,000円以上に引き上げる
 こと。
2 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
3 中小企業への支援策を拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として
 、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。
4 中小企業に対する大企業による優越的地位の濫用、代金の買いたたきや支払い遅延等
 をなくすため、中小企業憲章を踏まえて、中小企業基本法、下請二法、独占禁止法を改正
 すること。
5 雇用の創出と安定に資する政策を実施すること。