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請願

平成31年2月26日配付

産業労働常任委員会付託

        最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書提出の件


1 受理番号   第76号

2 受理年月日  平成31年2月19日

3 紹介議員   入江 次郎

4 請願の要旨
 アベノミクスによる"異次元の金融緩和"によって、大企業の内部留保は増えたが、労働者の実質賃金は下落し、消費支出も減少し続けている。"雇用の流動化"が推し進められ、非正規雇用労働者が全労働者の4割に達し、労働者の4人に1人が年収200万円以下というワーキング・プアに陥っている。低賃金で不安定な仕事にしか就けず、自立できない人が増え、厚生労働省によれば、2017年の婚姻率は0.49%(推計値)、2016年の出生率も1.44とどちらも前年より0.01落ち込み、少子高齢化が更に進み、親の貧困が子供たちの成長・発達を阻害する"貧困の連鎖"も深刻な社会問題になっている。
 2018年の改定による地域別最低賃金は、最も高い東京都で時給985円、兵庫県では871円、最も低い鹿児島県は761円である。毎日フルタイムで働いても月11万円から14万円の手取りにしかならず、これでは憲法が保障する"健康で文化的な最低限の生活"はできない。しかも、時間額で224円にまで広がった地域間格差が、労働力の地方からの流出を招き、地方の高齢化と地域経済を疲弊させる要因になっている。地域経済を再生させる上で、地域間格差の是正と最低賃金の大幅な引き上げが必要である。
 安倍首相は、「最低賃金を毎年3%程度引き上げて、加重平均で1,000円を目指す」として、最低賃金の引き上げを進めている。しかし、年3%の引き上げでは「できる限り早期に全国最低800円を確保し、2020年までに全国平均1,000円を目指す」とした2010年の「雇用戦略対話」での政労使三者合意を先延ばしするだけである。今すぐ政治的決断で、1,000円以上に引き上げるべきである。
 併せて、中小企業への助成や融資、仕事起こしや単価改善につながる施策を拡充すると同時に、最低賃金を改善することは、景気刺激策として有効である。さらに公正取引の確立の点から見ても、最低賃金を最低限の生活を保障する水準に引き上げ、地域間格差を解消し、企業間取引の力関係の中で単価削減・賃下げが押しつけられないようにし、適正利潤を含んだ単価を実現させることが大切である。
 最低賃金法第9条には、「最低賃金の原則」として「労働者の生計費と賃金」に加えて、先進国では例のない「通常の事業の支払能力」が併記されている。大企業の経済活動に大きく左右される指数が地域別のランク付の判断要素とされ、政府や使用者側は、これを理由に、最低賃金を劣悪な労働条件の多い小零細企業の労働者との賃金で比較している。そうした「生計費」原則を無視した地場賃金を低く抑える動きによって、地域間の賃金格差が固定・拡大され、地域経済の疲弊を深化させている。
 現行憲法では「すべて国民は、法の下に平等」「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とされ、労働基準法は第1条で「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」としており、最低賃金法第9条は、最低賃金は生活保護水準を下回ってはならないとしている。
 よって、最低賃金の地域間格差をなくして大幅に引き上げ、中小企業支援策の拡充を実現するため、下記の事項を内容とする意見書を国に提出するよう要望する。

1 ワーキング・プアをなくすため、最低賃金をすぐに1,000円以上に引き上げること。
2 全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
3 中小企業への支援策を拡充すること。中小企業負担を軽減するための直接支援として、中小企業とそこで働く労働者の社会保険料負担や税の減免制度を実現すること。