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知事提案説明

平成20年第294回定例会 知事提案説明




 
 第294回兵庫県議会の開会にあたり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びし、日頃のご精励に敬意と感謝を表します。

 まず、平成20年度予算案の概要の説明に先立ち、県政の基本的取組みについて説明します。

【はじめに】
 先日、県議会行財政構造改革調査特別委員会の中間調査報告をいただきました。これまでのご尽力に感謝するとともに、これを踏まえ、第一次の新行財政構造改革推進方策を決定しました。まさしく不退転の決意で、この改革を実行し、あの阪神・淡路大震災の復旧復興過程で生じた歳入歳出の不均衡という財政構造の課題を克服し、元気で安全安心な兵庫づくりをめざし、持続可能な行財政構造への再構築を進めます。
 さて、昨年7月、豊岡市百合地の人工巣塔から、46年ぶりに野生のコウノトリが巣立ちました。自然界への復帰を願う人々の知恵と努力が結実した瞬間、大空に翔る幼鳥の姿に、人と自然が共生する兵庫の美しい未来を確信することができました。
 震災から13年が経過し、復旧復興のステージを乗り越えてきた今、兵庫の各地には、地域づくりや環境などのさまざまな分野で、共生と連帯の芽が育っています。これからの新しい兵庫づくりこそ、成熟社会への道筋をしっかりと見据えながら、創造的復興の過程で培ってきた参画と協働、連帯ときずなを礎に、新しい兵庫への生まれ変わり、ふるさと兵庫の再生をめざさなければなりません。

【時代認識】
 21世紀の今日、世界は地球規模で一体化し、人、物、資金、情報が自由に移動する時代を迎えています。世界経済が拡大を続ける一方で、化石燃料の消費拡大が深刻な地球環境問題を招き、また、ゲーム感覚で飛び交う投機的資金は、為替と株価の乱高下や原油価格の高騰となって、実体経済を揺さぶっています。
 一方、国内では、インサイダー取引や後を絶たない偽装表示など、利益至上主義が招く企業の不祥事が、経済社会に対する不信感を強めています。また、生産者の顔や生産工程が見えない商品の増加、虚実の判別が難しいインターネット情報への依存、身の回りで発生する凶悪な犯罪の増加も、日々の暮らしに不安感をもたらしています。
 戦後、急速な経済成長を遂げるなかで、すべての価値が貨幣に換算され、その多寡と物の量のみを尺度に結果が評価される社会が形成されてきました。市場の原理のみを行動規範とする画一的な社会では、ともすると、他者との競争に打ち勝ち、いつも勝者になることばかりが求められます。しかし、そのことが、相手の気持ちや立場を理解できない自己中心的な行動となって、さまざまな事件や出来事を惹き起こしているのではないでしょうか。
 少子高齢の本格的な人口減少社会を控え、わが国の構造改革の先行きに明確なビジョンが見出せないことも、不安の要素となっています。
 社会保障制度など成長社会を前提に設計された仕組みを再構築し、成熟社会にふさわしいものへと転換しなければなりません。
 社会は、それを構成する一人ひとりが、責任と役割を自覚し、信頼のきずなでつながれることによって、はじめて成り立ちます。基本は家庭にあります。家族を愛する心がなければ、コミュニティの助け合いはなく、コミュニティの助け合いがなければ、調和と秩序が保たれた、暮らしやすい社会が築けるはずもありません。
 震災発生の直後から、互いに励まし合いながら、整然とした秩序をもって過酷な日々を切り抜けた被災地の姿は、世界中に感動を与えました。今、私たちに求められているのは、家族や地域の機能回復と社会経済システムの再構築を図り、安全と安心が実感できる社会、未来を切り拓く元気な力に満ちた社会を築いていくことではないでしょうか。
 今こそ、兵庫の再生に向け、新たな一歩を踏み出すときです。

【県政の重要課題】
 このような認識にあるからこそ、次の二つの基本的視点から、新年度の県政を推進していきます。

 その一は、世界化への対応です。
 世界中の地域や人々とのつながりが広がるなかで、互いに競いながら、共に発展していくためには、世界に視野を広げ、兵庫の存在感を主張していかなければなりません。
 大型放射光施設(SPring-8)に加え、次世代スーパーコンピュータやX線自由電子レーザーの整備など世界最先端の科学技術基盤が形成され、ものづくりに強みを持つ兵庫は、世界的な貢献ができるはずです。世界に開かれた歴史文化を持つ兵庫だからこそ、アジア諸国をはじめ成長を続ける国々の活力を取り入れ、そして応え、共に発展することができるのではないでしょうか。
 内外からの投資促進やものづくりを支える人材の集積、環境や防災分野での国際貢献とともに、国際的な食品流通を前提とした食の安全確保など、国際社会を意識した政策を推進していきます。
 ブラジル移住100周年を迎える今年は、日本人移住者が出発した神戸をはじめ、日伯両国で多彩な記念行事が催されます。5月には、環境大臣会合が開催され、世界各地から多くの人々が兵庫を訪れます。まさに、世界のなかで私たちが進むべき道筋を考える好機となるでしょう。

 その二は、地域化への対応です。
 世界化が進む時代だからこそ、画一化の波に飲み込まれないよう、地域の力を高めることが必要です。県内でも既に、高齢者が住民の4割以上を占める小規模集落が200カ所を超え、早急な対策が求められているなか、都市から農山漁村までの広い県土で、誰もが充実感を持って、いきいきと暮らせる環境を整えていかなければなりません。
 地域が地域として自立をめざすとともに、都市との交流による共生基盤を確立していくためには、中山間地域の活性化、医療福祉や交通、情報通信など地域間連携を進め、地域と地域とが助け合う仕組みの再構築などに取り組まなければなりません。
 自然環境や芸術文化に身近に接することができる質の高い生活スタイルの創造、コウノトリの野生復帰や丹波市の恐竜化石「丹波竜」など、多彩な資源を生かした地域づくりが求められます。団塊世代の活力にも期待したいと思います。

 今こそ、地域の個性を推進力に、世界化の波を追い風に変えて前進するときです。神戸阪神、丹波、但馬、播磨、淡路の五つの地域の多様性と個性が共鳴する兵庫の特性を生かし、世界の中で兵庫の地位を確かなものにしていきます。
 未曾有の大震災から、ともに力を合わせて、支え合いながら創造的復興を成し遂げてきた兵庫だからこそ、21世紀の日本の成熟社会を先導することができるという気概を持って、「元気で安全安心な兵庫づくり」をめざし、再生のスタートを切ります。

【行財政構造改革】
 そのためにも、財政基盤の確立が不可欠です。
 私たちは、震災後、最優先の政策課題として被災地の創造的復興に取り組み、その間、巨額の負担を強いられる財政基盤を長期的に安定させるため、起債制限比率を15%台以下とすることを基準に財政運営を行ってきました。
 しかし、地方財政健全化法の制定による国の地方財政規制の強化、三位一体改革に伴う行き過ぎた地方交付税の削減、国、地方を通じた基礎的財政収支の均衡をめざすための地方歳出の抑制と地方債発行の厳格化などの要因により、厳しい財政運営を強いられることとなりました。
 このため、昨年11月、新行財政構造改革推進方策の第一次案を提案し、県議会行財政構造改革調査特別委員会での審議や県民の皆さんの意見を踏まえ、この度、平成30年度までの財政フレームと平成20年度からの取組みを示す第一次新行革プランを策定しました。
 財政フレームについては、財政運営の基本方針として、各年度の基礎的財政収支を黒字化、実質公債費比率を平成30年度には18%水準に抑制など、8つの方針を示し、行財政全般にわたる改革に取り組むことにより、財政の健全化を図ります。
 事務事業については、一般事務費や施設維持費の削減を行うとともに、政策的な経費について、事業の必要性、県と市町や民間との役割分担、費用対効果、受益と負担の適正化等の観点から徹底した見直しを行い、時代の変化への的確な対応、選択と集中を図ります。
 福祉医療制度については、持続的で安定した運用をめざし、老人医療について低所得者に重点化した制度への見直しを行うほか、重度障害者及び乳幼児等医療について所得制限等にかかる制度間の不均衡の見直しを行うこととしました。1年間の周知期間を経て、来年7月から実施するとともに、2年間の経過措置を講じます。併せて、総合的な少子対策の充実も図ります。
 市町事業として定着してきたトライやる・ウィークや市町ボランタリー活動支援事業などについて、費用負担割合の見直しを行います。
 投資事業については、震災からの復旧復興事業が一段落したことを踏まえ、国の構造改革や地方財政計画の動向、他府県の投資規模等を勘案し、事業費総額を見直すこととします。なお、事業費の削減は、地域経済への影響や建設事業者等の健全育成、公共事業等の品質確保に留意しつつ段階的に実施することとし、新年度は、約2,380億円、前年度に比べ85.1%の水準としました。
 人件費については、総額の抑制を基本とし、定員を一般行政部門で平成30年度までに3割削減するなど見直しを徹底するとともに、給与の減額等の抑制措置を講じます。新年度は、特別職の給料及び期末手当等の一層の減額措置はもとより、一般職についても給料月額の減額や地域手当支給率の2%引下げ等を行います。職員に大変な困難を強いる改革は、私にとっても苦渋の選択です。職員みんなの理解と協力を得ながら、行財政構造改革を推進し、新しい兵庫づくりを進めていきます。
 組織については、新年度、まず本庁組織を見直すこととし、現行の6部体制を5部体制とし、県民政策部と企画管理部を統合して企画県民部を、農林水産部と環境部門を統合して農政環境部を設置します。局や課を統合再編し、小規模課の解消等に努めます。
 今後、県民局をはじめとする地方機関の再編や試験研究機関の見直し、企業庁の総合経営計画と県立病院の改革プランの策定に向けた取組み、外郭団体の改革など残された課題についてさらに検討を進め、新年度の上半期には新行革プラン全体を最終決定したいと考えております。
 また、新行革プランを実効あるものとするため、毎年度、改革の取組みの進捗を点検し、議会への報告と県民への公表を行いながら、さらなる改革の必要性の検証と適切なフォローアップを行います。
 これからの11年間、新行革プランに基づく改革を着実に実行していかなければなりません。職員一人ひとりが県民のために発想し、権限と責任を自覚して主体的に行動する庁内自治のもと、議会や県民の皆さんのご理解をいただきながら、全庁一丸となって改革に取り組みます。

【平成20年度予算の基本方針】
 新年度は、この新しい行財政構造改革推進方策を基本に据え、政府や民間の経済見通し、本県の経済状況を考慮し、税収を慎重に見積ったうえで、新行革プランの具体化として、ゼロベースでの見直しによる歳出抑制、定員削減や給与見直しによる人件費削減、投資的経費の見直しなどを行う、限られた歳入歳出の中での「選択と集中」を徹底し、少子高齢化対策、地域活性化対策などの課題に対応する、県債管理基金からの一時借用など特別な収支不足対策は持続可能な範囲内にとどめるという方針のもと予算編成を行い、一般会計は、平成9年度以来11年ぶりに2兆円を下回る1兆9,700億円の規模としました。
 そして、新しい兵庫、元気で安全安心な兵庫を構築していくため、

 人、地域、社会、産業の活力を生み出す「兵庫の元気の創出」
 自然や文化を愛し、環境を守る「生活の質の向上」
 地域の資源を生かし、交流人口を拡大する「交流の促進」
 人と人とのきずなで支え合う「家庭と地域の再構築」
 くらしの安全や防災減災で築く「安全安心の確保」
 県民の主体的な活動で新たな公を担う「参画と協働の推進」
 地方の自由度を高める「分権改革の推進」

 これら7つを重点施策の柱として、復旧復興のための全方位型から、選択と集中による課題対応型へと施策の重点化を図り、参画と協働を基本姿勢に、県民本位、生活重視、現場主義の県政を推進します。

 
 これより、新年度の重点施策について説明します。

【兵庫の元気の創出】
 その第一は、「兵庫の元気の創出」です。
 まず、新しい兵庫づくりを担う元気な人づくりをめざします。

(少子対策、子育て支援の充実)
 少子対策、子育て支援の充実です。
 一昨年に増加傾向を示した本県の出生数は、昨年はほぼ前年並みとなりました。「ひょうご子ども未来プラン」を推進し、結婚や出産の適齢期にある団塊ジュニア世代対策を進めつつ、誰もが安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを急がなければなりません。
 まず、多子世帯の子育てにかかる経済的負担の軽減を図るため、第3子以降の保育所・幼稚園の保育料を助成します。また、子育てについて、誰にも相談できず一人で悩む若い親たちが増えていることから、在宅乳幼児とその親が保育所や幼稚園で集団活動を体験し、親と子が共に育つ2歳児等子育て応援事業を実施します。さらに、政労使が協調し、仕事と生活とのバランスを取る対策を普及するとともに、従業員や地域の子どもを預かる事業所内保育施設の設置を支援します。これらの事業は、勤労者の共通課題に対応するものであることから、法人県民税の超過課税を活用することとしました。
 働きながら安心して子育てができる環境を整備するため、保護者にやむを得ない事情がある場合に病児や病後児を預けられるよう、病児保育施設の整備を支援するほか、地域の保育所が窓口となって、保護者と医療機関等をつなぐ病児保育サポート事業を実施します。
 未来の親への支援として、引き続き不妊治療費助成を実施するほか、妊婦健診については、市町の主体的な取組みを促進するための助成を行います。
(学校教育、地域教育の推進)
 次は、学校教育、地域教育の推進です。
 子どもたちがそれぞれの能力を発揮し、夢や希望に満ちた将来を描けるよう、基礎学力の定着と活用力の向上を図ります。
 小中学校の指導方法の改善や読書活動等に取り組む「ひょうご学力向上推進プロジェクト」を進めるほか、低学年から段階的に導入してきた小学校の35人学級編制を4年生まで拡大します。また、全国学力・学習状況調査の結果分析等を踏まえ、小中学校が行う独自の学力向上対策を支援します。
 地域全体で学校教育を支援するため、全市町の中学校区単位に「学校支援地域本部」を設置し、いきいき学校応援団などのネットワークを生かした支援体制を構築します。
 特別支援教育の充実に向け、阪神地域と播磨地域で新たな学校整備に着手します。
(体験教育等の推進)
 子どもたちが自然や生命を大切にし、感性と責任感を育みながら成長することが望まれます。
 このため、小学3年生の環境体験事業、5年生の自然学校、芸術文化センターにおける中学1年生のわくわくオーケストラ教室、2年生のトライやる・ウィーク、高校生の地域貢献活動や就業体験など、発達段階に応じた体験教育を推進します。特に、環境体験事業の拡大、創設から10年が経過するトライやる・ウィークの事前と事後の指導強化など、一層の充実を図ります。  いじめや不登校など青少年を取り巻く課題に対処するため、「ひょうごっ子悩み相談センター」において、24時間体制で電話相談を実施するほか、インターネット上のいじめに関する相談を新たに実施します。また、児童生徒や保護者の悩みに応えるスクールカウンセラーの配置校を拡充するほか、学校だけでは解決困難な事案には、警察官OBや社会福祉士等による「学校支援チーム」で支援します。
(県立大学の充実)
 県立大学では、管理栄養士養成課程と景観園芸に関する専門職大学院の21年度設置に向けた準備を進めるほか、次世代スーパーコンピュータの立地を視野に計算科学に関する新研究科の設置をめざします。

 次に、「地域の元気」です。
(小規模集落の再生)
 人口の減少や高齢化が進む小規模集落では、買い物などの日常生活が不便となり、これまで県土を守ってきた美しい森林、田畑が荒れるなど、さまざまな課題に直面しています。こうした集落が元気を回復するためには、地域内での助け合いだけでなく、都市部とも交流していくことが大切です。
 このため、農業やまちづくりの専門家による助言やNPO、学生等との交流のきっかけづくり、都市部のパートナーとのマッチング、交流拠点の運営など、多様な地域づくり、交流活動を総合的に支援する「小規模集落元気作戦」を展開します。
 また、都市部の空き店舗等を活用した直売施設の設置など、農村や中山間地域の取組みを支援します。
(個性を生かした地域づくり)
 各地の多彩な文化や自然風土を生かし、個性豊かな地域づくりを進めます。
 神戸と阪神地域の臨海部において、兵庫運河や尼崎運河を活用した水辺空間の再生に取り組むとともに、引原ダムを拠点としたカヌーによる地域づくり、生野鉱山から飾磨港にいたる銀の馬車道プロジェクト、北播磨交流人1500万人大作戦、野外CSR施設「宝塚西谷の森公園」の開園など、交流の舞台となる新たな魅力づくりを進めます。
 また、学術的にも貴重な地質や地形を生かす山陰海岸ジオパークや、いなみ野ため池ミュージアム構想、高砂みなとまちづくり構想など、特色ある地域づくりを進めます。
 明石海峡大橋の開通10周年を記念したイベントを展開するほか、新種で全身骨格の発見の可能性がある丹波竜については、発掘調査を精力的に進め、その成果を内外に発信し、恐竜化石を生かした地域づくりを進めます。

 その三は、「社会の元気」です。
 誰もが、生涯を通じて健康を保ち、住み慣れた地域で安心して暮らせる地域づくりを進めることが社会を元気にします。
(健康づくりと在宅療養支援)
 メタボリックシンドロームの予防など県民の健康づくりを支援するため、一人ひとりの健康状態や体力に合った「健康マイプラン100万人運動」を推進するほか、新たに医療保険者に義務づけられる生活習慣病予防に重点を置いた健康診査と保健指導の円滑な実施を支援します。
 国の医療構造改革に対応し、入院療養から在宅療養への移行を円滑に進めるため、「地域ケア体制整備構想」に基づき、医療と福祉の連携による在宅療養の体制づくりや、療養病床から介護施設への転換を促進します。

(高齢者福祉の充実)
 4月から75歳以上の方々を対象とした新しい医療制度が始まります。この制度を運営する兵庫県後期高齢者医療広域連合に対する財政支援を行うとともに、引き続き、市町の介護保険事業を支援するなど、高齢者福祉の充実に努めます。
(障害者の自立支援等)
 障害者対策では、障害者自立支援法にかかる利用者負担の軽減等の生活支援と、しごと開拓やインターンシップ事業等の就労支援に努めることとし、小規模作業所については、統合等を進め、自立支援法の新サービス体系への移行を促進します。
 総合リハビリテーションセンター内に、病棟、療護施設、学習棟が一体となった小児リハビリテーション施設を開設します。
 発達障害の早期発見と早期支援に努めるほか、障害のある児童を養育する家族を支えるため、親の会等のネットワーク化を図り、関係機関の連携や相談体制を充実します。
(福祉人材の確保)
 福祉、介護サービス分野における深刻な人材不足を解消するため、労働環境の改善など人材確保のための具体的なプログラムを策定するとともに、福祉人材センターの充実を図り、学生から中高齢者までを対象に就職相談やあっせん等を行うほか、社会福祉法人の経営強化を支援するなど、人材確保対策の充実を図ります。

 その四は、「産業の元気」です。
 本県経済は、好調な輸出や設備投資を背景に企業業績が改善し、個人消費も底固く推移するなど緩やかな拡大が続く一方で、業種や地域による回復の遅れや昨今の原材料価格の高騰など、懸念すべき点も見られます。市場の変化に柔軟に対応できる力強い産業構造を構築しなくてはなりません。
 このため、震災で失われた経済ポテンシャルを回復し、経済規模を平成22年度には17年度の1.2倍にすることをめざして「ひょうご経済・雇用活性化プログラム」を推進します。
(次世代成長産業の育成)
 経済活動のグローバル化が進展するなか、世界に通用する兵庫のものづくりの力や研究機関の集積を生かして、ナノ、情報通信・エレクトロニクス、健康・医療、環境・エネルギーなどの次世代成長産業の育成を図ります。
 神戸への立地が決まった世界最高性能のスーパーコンピュータを産業利用の促進と計算科学の振興に生かすため、本年1月に設立された財団法人計算科学振興財団を運営主体とする「高度計算科学研究支援センター」の整備を進めます。また、東京大学や民間企業の専用ビームラインが整備される大型放射光施設やニュースバル新ビームラインの活用、兵庫県放射光ナノテク研究所による研究支援等により、播磨科学公園都市への研究機関の集積を促進します。
(企業誘致の促進)
 企業の積極的な投資意欲に応え、内外からの企業誘致を促進するため、産業集積条例の適用期限を3年間延長し、特に立地促進が望まれる但馬、丹波、淡路地域については、設備投資額を50億円から10億円に引き下げるなど補助要件を緩和し、重点化を図ります。淡路市津名地区においては、環境配慮型企業の誘致に向けた検討を行います。
 また、これらの地域を対象に「ふるさと人材確保ネットワーク」を構築し、若年労働力の定着とUターンの促進を図ります。 
(ものづくり産業の競争力強化等)
 ものづくり産業の競争力を高めるため、基盤的技術研究に重点を置いた兵庫県COEプログラムの推進や工業技術センターの支援機能の強化等に取り組むほか、「ものづくり大学校」の整備に向け、高度技能者の養成、「第25回技能グランプリ兵庫大会」の開催などの先行ソフト事業を進めます。
 新技術、新サービスの事業化に対しては、必要経費の70%までを対象とする無利子貸付制度により支援します。
 中小企業金融では、企業の再生や再挑戦を支え、設備投資などの資金需要に対応するため、融資目標額3,000億円を確保し、より使いやすい資金種別へと再編します。
 地場産業については、播州織、豊岡鞄などの地域団体商標登録を活用し、ブランド力向上をめざす新分野進出等の取組み、耐震性に優れた軽量瓦など産地で取り組む高付加価値製品の開発に向けた技術基盤の高度化、ケミカルシューズなど販売力の強化が課題となっている産地企業の新規市場開拓等への支援を充実します。
(雇用就業機会の確保)
 雇用就業の確保については、新規学卒者やニートなどの若年者の問題に加え、就職氷河期に正規雇用されなかった年長フリーター対策と大量退職期を迎える団塊世代対策が必要です。
 このため、職業紹介や能力開発情報の提供など総合的な支援を行う「ひょうご・しごと情報広場」の運営に加え、年長フリーター等への企業説明会の開催や能力開発プログラムの実施等により、正規雇用の拡大を図ります。
 団塊世代をはじめ中高年齢者の就業支援では、熟練技能者等の人材マッチングや就業相談を実施するほか、農村シニアカレッジの開催等により、新規就農を支援します。
 また、優れた人材を広く確保するため、県外での合同企業説明会を開催するほか、商工会議所、商工会が行う労働環境向上の取組みを支援します。

 次は、農林水産業の振興です。
 
(農業の担い手の育成)
 担い手の高齢化や後継者不足に起因する農地の遊休化と生産力の低下に歯止めをかけ、競争力のある経営体を育成することが必要です。
 このため、リーダーの育成や所得安定対策への加入に向けたプログラムの作成、共同利用機械の整備支援等により集落営農の組織化を促進します。既に組織化された集落については、農地集積や農産物のブランド化等により経営力を高め、法人化へのステップアップを支援します。
 このほか、新規就農を希望する若者を対象に相談や研修を行い、農業後継者の育成と地域への定着を促進します。
(農産物の流通拡大)
 消費者の食に関する意識が高まるなか、売れる農産物づくりをめざし、減農薬栽培による兵庫米をはじめ、ひょうご安心ブランドの生産技術の確立や消費拡大を図ります。また、都市部における農業振興と農地の保全に向けた検討を行います。
(遊休農地対策の推進)
 遊休農地の発生防止と活用を図るため、特産物の栽培など市町や地域の主体的な取組みを支援するほか、バイオマスエネルギーの資源作物となるナタネや多収量品種米の実証栽培と燃料化の検証に取り組みます。
(林業、水産業の振興)
 林業については、宍粟市に整備される「県産木材供給センター」を支援し、県産木材の競争力を高めるほか、国土保全など森林の多面的な機能が発揮されるよう、森林管理100%作戦など新ひょうごの森づくりを進めます。
 水産業については、ノリの色落ち対策や「ひょうごのさかな」消費拡大対策を進めるほか、播磨灘における大規模漁場整備や山陰沖合でのズワイガニ保護育成礁の造成等により、資源の増大と安定供給を図ります。

【生活の質の向上】
 重点施策の第二は、「生活の質の向上」です。
(地球環境問題への対応)
 京都議定書に基づき、国際協調による温暖化ガス対策が進むなか、地域からの創意と工夫で、地球環境対策に取り組みます。新たに第三次兵庫県環境基本計画の策定を進めるとともに、温暖化ガスの「排出量取引ひょうご方式」の検討や住宅用太陽光発電の導入促進、「地球温暖化対策等推進県民会議」を中心とした運動展開など、県民、事業者、行政が一体となった環境適合型社会づくりを進めます。
 ディーゼル自動車等の運行規制については、施行後3年間の大気汚染改善状況等を踏まえ、規制内容の見直しを検討します。
(環境意識の醸成等)
 5月に開催される環境大臣会合を契機として、コウノトリの野生復帰など兵庫が進める自然再生の取組みの発信と環境意識の一層の醸成を図るため、こども環境会議やシンポジウム、NGO、NPOの交流の場づくりなど、多様な関連事業を展開します。3月に開設する「ひょうご環境体験館」では、エネルギー実験など参加体験型のプログラムを実施します。
 瀬戸内海の再生をめざして昨年実施した署名活動では、140万を超える人々の賛同が寄せられました。今後とも、瀬戸内海環境保全知事・市長会議とともに、新たな法整備を強く働きかけます。
 また、レジ袋削減運動などの身近な取組みを推進するほか、間伐材や食品残さなど、バイオマス資源の利活用を図る農のゼロエミッションを推進します。
(野生動物との共生)
 人と野生動物との共生をめざし、個体数管理と被害管理、生息地管理を一体的に進め、特に被害の拡大が著しいシカの効率的な捕獲方法を開発するほか、サル、ツキノワグマの被害対策に取り組みます。また、鳥獣被害防止特別措置法に基づく市町の対策を促進するとともに、新年度については、防護柵の設置を対象とした県単独助成を拡充します。アライグマなどの特定外来生物対策にも取り組みます。
(まちなみ・景観対策の推進)
 県民緑税を活用し、住民団体等が行う緑化活動を支援することにより、美しいまちなみを創出します。また、神戸、阪神間に残る優れた近代建築の保存に努めるほか、10月には、姫路市と淡路市において、住宅と都市文化の継承と持続性をテーマに国際会議を開催します。
(県土の適正利用)
 長期的視点から計画的な県土利用を図るため、第四次となる県の国土利用計画を策定するほか、市町合併等まちづくりをめぐる状況変化を踏まえ、都市計画区域の再編も視野に入れ都市計画区域マスタープラン等の見直しを行います。
 大規模商業施設の適正立地を図るとともに、子どもの預かりサービスや農業生産者との交流など商店街の特色ある取組みを支援し、中心市街地の活性化を図ります。
(芸術文化の振興)
 芸術文化が暮らしに息づく「芸術文化立県ひょうご」をめざし、多彩な芸術文化活動を推進します。
 開館2年余りで、公演入場者が100万人を超えた芸術文化センターでは、芸術監督プロデュースオペラ「メリー・ウィドウ」やパリ国立オペラなど話題性の高い公演を行うほか、ワンコイン・コンサートなどの普及事業を実施します。
 県立美術館では、郷土出身の横尾忠則展やシャガール展を開催するほか、来館促進のための普及活動として、学校での子ども向け美術鑑賞や県内各地での制作体験イベントなどを実施します。
 兵庫陶芸美術館の「ウェッジウッドの250年展」や歴史博物館の「高校野球90回記念展 夏・甲子園」展、考古博物館の「光は西から−ひょうご・文明との出会い」展や巡回展「ふるさと発掘展」など、特色ある事業を展開するほか、人と自然の博物館では、ファーブル昆虫記刊行100年を記念し、「ファーブルにまなぶ展」を開催します。
(スポーツの振興)
 県民スポーツの振興に向け、総合的な取組みを推進します。
 生涯スポーツについては、各小学校区に設置された「スポーツクラブ21ひょうご」の運営支援や健康づくりの視点を取り入れたスポーツ促進プログラムの開発等に取り組みます。
 競技スポーツについては、有名アスリートを招いた競技体験やジュニア選手の育成など競技力向上対策に取り組みます。また、8月に開催される北京オリンピックの事前合宿や国際大会、全国大会等の誘致に努めます。
 障害者スポーツについては、市町における障害者スポーツ振興の組織づくりや競技団体の育成支援に努め、障害者スポーツのすそ野の拡大や競技力の向上を図るとともに、ボランティアの拡充など県民みんなが応援する体制づくりを進めます。

【交流の促進】
 重点施策の第三は、「交流の促進」です。
 人口減少社会では、さまざまな交流が地域の活力を支えます。このため、まず、ツーリズムを振興し、交流人口を増やします。

(都市と農山漁村との交流)
 都市と農山漁村との交流や二地域居住を促進するため、多自然居住地域の住民、NPO等が行う空き家を利用した交流拠点づくりや古民家再生への支援、SNSも活用した地域づくりの手引き書の作成などに取り組みます。また、市民農園整備への支援や兵庫楽農生活センターにおける多彩な楽農交流事業を実施します。
 地域間交流やエコツーリズムを促進する県民交流バスについては、助成単価を見直し、利用ニーズに対応できる運行台数を確保します。
 交流を促進するためにも、地上デジタル放送難視聴地域の共聴施設の改修やケーブルテレビ施設の整備を支援し、地域間の情報格差の是正に努めます。
(観光交流の振興)
 4月18日から5月11日までの24日間、姫路市で開催される「第25回全国菓子大博覧会・兵庫」では、和菓子、洋菓子、中華菓子の総合菓子文化で来場者をもてなし、築城400年を迎える姫路城をはじめ、兵庫の魅力を大いに発信します。
 今秋から、「あなたに会いたい兵庫がいます」をキャッチフレーズに、観光交流キャンペーンが始まります。JRグループと共同し、来年6月まで、兵庫の歴史、文化、食、風景を全国にアピールします。
 また、日本への旅行需要が高い東アジアから団体旅行を呼び込むため、大阪、京都とも連携した誘致活動を展開します。
(国際交流の推進)
 今から100年前の4月28日、初のブラジル移民781名を乗せた「笠戸丸」が神戸港を出港しました。日伯交流年である今年は、神戸での記念行事やブラジルへの友好訪問団の派遣など、多彩な事業を実施するほか、多文化共生の理念のもと、外国人県民への支援活動と交流の拠点として、「海外日系人会館」の整備を進めます。また、高校生の国際的な視野を育てる西オーストラリア州との体験交流など、友好・姉妹州省との交流を推進します。
(道路網の整備等)
 交流と連携の基盤となる道路については、「つくる」から「つかう」を基本に、既存ストックの有効活用を図り、すれ違い困難箇所や渋滞交差点、通学路の歩道など身近な生活道路の整備を進めます。
 また、県土の骨格を形成する新名神高速道路、中国横断自動車道姫路鳥取線、北近畿豊岡自動車道、鳥取豊岡宮津自動車道等の整備を促進するほか、渋滞が慢性化している神戸、播磨臨海地域の交通需要に対応するため、名神湾岸連絡線や大阪湾岸道路西伸部、播磨臨海地域道路の具体化を進めます。
(公共交通の利便性向上等)
 鉄道については、JR姫新線の軌道改良や新型車両の導入を図るほか、昨年着手した余部橋梁の架替工事にあわせ、山陰線、播但線の高速化等を進めます。
 地域住民の足として欠かせないバス路線を維持できるよう、事業者の経営改善を促す支援制度へと内容を見直しながら、運行助成を継続するほか、新たにNPO等による有償運行事業の立上げを支援します。
 但馬空港については、GPSを利用した新航法を導入し、就航率の向上を図るとともに、但馬−羽田直行便の実現に向けたPR活動を強化します。また、神戸空港開港3周年記念イベントの開催や関西国際空港利用促進事業などに取り組むほか、大阪国際空港への兵庫県側からのアクセス強化と周辺地域活性化方策の検討を進めます。

【家庭と地域の再構築】
 重点施策の第四は、「家庭と地域の再構築」です。
(家庭力・地域力の再生)
 昨年、「ひょうご家庭応援県民運動」の一環として、「家族の日」運動を始めました。各家庭ごとに定める家族の日を共有し、家族のきずなが深まることを期待しています。新年度においても、親自らが成長し、家族や地域の一員として守るべき規範等を学ぶ「ひょうご親学び応援事業」により家庭力を高めるなど、地域全体で多世代が支え合う「地域三世代同居」の実現をめざします。
 青少年の健全育成では、携帯電話などの情報通信機器が青少年の暮らしに浸透するなか、インターネット被害から子どもを守るため、事業者と保護者の協力により、有害情報を遮断するフィルタリングの活用を促進します。
(地域づくり活動等の推進)
 これからは意欲ある団塊世代の人々が、地域社会の新たな担い手として、地域安全や子育てなどのさまざまな分野で活躍されることが期待されます。
 こうした活動をはじめ、県民の自発的な地域づくりについて、ひょうごボランタリー基金により積極的な支援を行うほか、地域づくり活動の舞台となる県民交流広場事業を推進します。また、庁内の政策提案制度から生まれた、団塊世代による地域の子育て支援活動「まちの寺子屋プロジェクト」を事業化します。
 開設40周年を迎えるいなみ野学園や阪神シニアカレッジなどの高齢者大学では、専門性や実践活動を重視した、より質の高いカリキュラムを提供します。生涯学習や地域づくり活動等の生活創造活動拠点として、新たに東播磨生活創造センターを開設するとともに、既存の文化会館等を拠点施設に位置づけ、県民の主体的な取組みを支援します。

【安全安心の確保】
 重点施策の第五は、「安全安心の確保」です。
(食の安全確保)
 中国産冷凍ぎょうざが原因と疑われる健康被害が発生しました。関係事業者に対し販売中止と回収等を指導する一方、直ちに相談窓口を開設し、県民の不安解消に努めてきました。今後とも、食の安全を確保するため、生産から販売に至る各段階で監視指導を徹底するとともに、県版HACCP認定制度の普及や、食品表示の監視強化と事業者への助言指導を行います。また、学校や地域で食育を推進します。
(消費生活対策の推進)
 消費生活に関する苦情や相談の高度化、複雑化に対応するため、生活科学研究所と神戸生活創造センター生活科学部を統合し、商品テスト、消費生活相談、啓発などを一体的に行う「生活科学総合センター」を設置します。また、多重債務問題に、国、県、市町、関係団体が一丸となって取り組みます。
(地域安全まちづくりの推進)
 身近な生活空間で犯罪が多発するなか、地域安全まちづくりへの住民ニーズに応えるため、まちづくり防犯グループへの活動支援や、駐在所への小型警ら車の配備等を進めます。
(医師確保対策の推進)
 喫緊の課題である医師不足問題に対しては、まず、ドクターバンク支援事業や女性医師の再就業支援等により、医師数の確保に努めます。また、後期研修病院が優秀な指導医を配置し、研修医の確保と医師不足地域への派遣を行う取組みを支援するほか、開業医、勤務医を対象にへき地医療拠点病院等での実地研修を行う総合医育成研修事業を実施し、医師の偏在是正を図ります。
(救急医療体制の充実等)
 救急患者が受け入れられない事態は、あってはならないことです。既に、救急医療情報システムの徹底や救命救急センターへの搬送基準の見直しを行いましたが、今後、ドクターヘリの導入も含め、より良い救急搬送体制を検討します。
 また、周産期医療情報システムへの参加病院を拡大するほか、県立こども病院等を核とする近畿府県連携の搬送体制を充実し、出産に伴うリスクに対応します。
(がん対策の推進等)
 がん対策については、医療圏域ごとに拠点病院と診療所等の連携を図り、検診受診率の向上、緩和ケアの普及、B型、C型肝炎ウィルスの無料検査やインターフェロン治療への助成など、総合的な対策を講じます。
 新型インフルエンザなどの感染症対策やエイズ対策に取り組むほか、自殺の予防に努めます。
(東南海・南海地震への備え)
 東南海・南海地震への備えに万全を期すため、「ひょうご防災戦略プログラム」を踏まえ、新潟県中越沖地震などの最近の災害における新たな教訓や知見を取り入れて、地域防災計画の内容充実を図るとともに、淡路地域において、災害時要援護者支援モデル事業を実施します。
(水害土砂災害対策の推進)
 台風等による風水害に備え、河川の洪水危険情報システムを整備し、的確な水防活動と避難行動に生かすほか、都市の浸水対策を推進します。また、県民緑税により緊急防災林、針葉樹林と広葉樹林の混交林、里山防災林、野生動物育成林を整備する「災害に強い森づくり」を進めます。
(震災の教訓の継承と発信)
 国内外で毎年のように大地震や大洪水が発生しています。阪神・淡路大震災の被災地として、震災の教訓を忘れず、災害文化の定着を図っていかなければなりません。このため、復興10年の総括検証をもとに分かりやすい形に整理、発信し、今後の防災や復興対策に生かします。
 昨年、被災者生活再建支援法が改正され、住宅本体の建築費や補修費等への支援が実現しました。制度発足以来一貫して訴えてきた成果が実を結んだものと考えています。本県が全国に先駆けて創設した兵庫県住宅再建共済制度についても、戸建住宅から共同住宅まで積極的なPRを行い、一層の加入促進に努めるとともに、引き続き全国制度化を働きかけていきます。

【参画と協働の推進】
 重点施策の第六は「参画と協働の推進」です。
(21世紀兵庫長期ビジョンの推進)
 県民主役、地域主導で兵庫の未来を描いた「21世紀兵庫長期ビジョン」の策定から7年が経過しました。想定年次の中間年に当たる新年度を新しい地域像の構築をめざす準備段階と位置づけ、総合的な点検を行います。時代潮流の変化を見据えながら、生活の豊かさ、持続可能な地域構造、世界の中の兵庫などの視点から、人口減少下で顕在化する政策課題を見極め、今後めざすべき方向を検討するとともに、地域夢会議やみんなの夢会議で幅広い県民の参画を得ながら、ふるさとの将来像について議論を深めます。
(県政広報活動の推進)
 広報活動では、多様な媒体を効果的に活用し、分かりやすい県政広報に努めるほか、兵庫ゆかりの著名人による「ふるさとひょうご応援団」を創設し、兵庫への寄附にもつながるさまざまな情報を発信します。

【分権改革の推進】
 重点施策の第七は、「分権改革の推進」です。
(地方分権改革の推進)
 昨年11月、政府の地方分権改革推進委員会から、国の義務付け等の具体的な見直し方向などを示す「中間的な取りまとめ」が発表されました。今後、この方針に沿って具体的な勧告が行われます。また、国の地方支分部局のあり方についても具体的な検討が進んでいます。第二期地方分権改革の行方を決める大切な時期だけに、分権の明確な道筋が示されるよう、全国知事会や県自治体代表者会議等とも連携して、国等への働きかけを強化します。とりわけ、地方の標準的な行政サービスの維持と財政力の地域間格差の是正に向け、三位一体改革で大幅に削減された地方交付税の復元と地方消費税の充実を求めます。また、道路特定財源については、国の場合と異なり、地方の道路事業費に占める比率が30%台と低く、また、暫定税率に依存する度合いが高い実態にあり、一般財源化は納税者である自動車利用者との応益関係が不明確になるとともに、なぜ、自動車利用者だけが特別な負担をするのかとの問題も生じます。しかも、既にこの枠組みを前提に予算編成をせざるを得ない時期にあります。したがって、これらの実情を十分に踏まえた適切な措置を期待しています。
(広域行政体制)
 道州制については、地方行政制度のあり方だけではなく、中央省庁の再編解体や国会機能の縮小を含め、新しい国のあり方がワンパッケージで検討されなければなりません。こうしたなか、関西では、地方が主体的に進める広域行政の体制づくりとして、広域連合の設立を検討しており、本県としても積極的に参画していきます。
 また、県・市町懇話会等の場を通じて課題を共有しながら、4月に本県で第二番目の中核市へ移行する西宮市をはじめ、市町との役割分担の見直しと一層の権限移譲等に努めていきます。
 分権改革の基本は、地方の自己決定・自己責任が貫ける体制を確立することです。二重行政、三重行政を廃し、一つの事業は一つの主体が権限、財源、責任を持って担当する独立・自立型の行政システムをめざしていきます。
【条例・事件決議】
 以上の方針のもとに編成した平成20年度の歳入歳出予算は、
 一般会計      1兆9,762億3,600万円
 特別会計      1兆2,750億4,300万円余
 公営企業会計歳入  1,827億2,200万円余
  同       歳出  2,099億8,500万円余 です。

 次に、条例につきましては、産業の集積による経済及び雇用の活性化に関する条例の一部改正など23件です。
 事件決議につきましては、地方公営企業等金融機構への出資など17件です。
 専決処分承認案件につきましては、差し押え不動産に係る根抵当権設定登記等の抹消を求める出訴について承認を求めるものです。

 以上で平成20年度の主な県政施策と諸事業の説明を終わります
 議員の皆様には、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。