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知事提案説明

平成20年第297回定例会 知事提案説明


 本日、第297回兵庫県議会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告をします。

第1は、経済対策です。

 世界的な金融危機の深刻化や株式・為替市場の大幅な変動など、世界経済が一段と減速するなかで、実体経済に広範な影響が及び、本県の経済情勢も厳しさを増しています。企業の業況判断は後退し、設備投資は増加を続けているものの、輸出や個人消費には弱い動きが見られます。また、有効求人倍率は低下し、新規求人数も減少するなど、雇用面も弱含みとなっています。

 こうした厳しい経済環境のもと、とりわけ年末・年始を控え、中小企業等の資金繰りが懸念されます。すでに、9月の緊急経済対策や補正予算において、「経営円滑化貸付」の要件緩和や融資限度額の倍増、融資目標額の大幅な引き上げをはじめとした制度融資の拡充を行いました。さらに、先月14日には緊急保証制度の対象業種を545業種から618業種に拡充していますが、今後も、中小企業融資制度の活用を周知していくとともに、金融機関等に対して融資相談に積極的に応じるよう要請します。
 あわせて、国に対し、貸し渋りが生じないような金融機関対策の実施、セーフティーネット保証対象業種の全業種への拡大、要件を大幅に緩和した特別保証制度の創設などを求めていきます。

 また、11月の国の予算編成に対する提案のなかでも、先行きが極めて厳しい実体経済の動向を踏まえ、「安心実現のための緊急総合対策」の着実な実施と「生活対策」における具体的施策の一刻も早い実現、経済対策についての適切な地方財政措置など、地域を元気にする経済対策の実施を強く求めています。
 一方、本県としても、国の第2次補正予算の動向や内容等を注視しながら、補正予算の編成や新年度予算における対策など、必要な措置について検討を進めます。

 企業誘致は、平成20年上期の工場立地件数が60件で全国第2位になるなど、引き続き好調を維持しています。10月には、篠山市及び加西市において産業集積条例に基づく拠点地区を新たに指定しました。今後も産業集積条例の活用等により、特に但馬・丹波・淡路地域への立地を促進するなど、県内全域へのバランスのとれた企業誘致に取り組みます。

第2は、安全と安心の確保です。

 医師の確保については、医学部卒業後2年間の臨床研修後、概ね3年間の後期研修を行う「新臨床研修制度」が実施されてから5年が経過し、来年4月には、最初の修了者が医療機関等に勤務することになります。この後期研修を修了した医師等を県職員として採用し、政策医療を担う医師が不足している県内公立病院等に派遣する「地域医師県採用制度」を新たに創設しました。来年4月採用に向け、地域医師の募集を開始しています。
 また、県医療対策協議会の調整に基づき、医師不足が深刻な病院に医師派遣を行う取組みや、2次救急医療圏域において、医療機関が一体となって救急患者の受け入れ体制を強化する救急医療機関支援事業の年内実施をめざし、関係医療機関等と具体的な協議を急ぎます。

 県立病院については、県民に対し良質な医療を提供していくため、医療機能の充実を図るとともに、計画的な建替整備を行うこととしています。
 県立加古川病院については、東播磨地域の3次救急医療のほか、生活習慣病医療、緩和医療等の政策医療を中心に担う病院として、来年11月頃の供用開始をめざし移転整備を進めています。
 県立淡路病院については、建物の老朽化・狭隘化への対応や医療機能の充実を図るため、建替整備基本計画を策定しました。3次救急医療を含む専門的な急性期医療等を提供する地域の中核病院として、平成25年度の供用開始をめざして、整備を進めます。
 県立尼崎病院と塚口病院の統合再編については、先月28日、第1回検討委員会を開催しました。今後、両病院の有する診療機能再編の具体案、そのために必要な施設・設備等の整備、統合再編後の既存施設等の利活用等について、来年度秋口を目途に、幅広い観点から検討を行います。
 医師不足などから厳しい運営状況にある県立柏原病院については、柏原赤十字病院と連携し、役割分担しながら、一体的に医療を提供するとともに、当面、地域医療循環型人材育成プログラムの創設、県立病院間相互の医師派遣等、診療機能回復のための医師確保などに取り組みます。

 本年5月、伊丹市で児童虐待死亡事件が発生しました。当該児童は、母親による虐待の疑いがあったことから、こども家庭センターが児童養護施設に入所措置した後、家庭復帰し、在宅において支援を行っていました。センターの指導中に発生した事件であり、結果として子どもの命が救えなかったことは非常に残念です。このため、事実の把握や発生原因、センター等の対応などの分析等を行い、これに基づく適切な対策をとるため、医療・児童福祉などの専門家による検証委員会を設置しました。この検証を踏まえ、再発防止に努めるとともに、引き続き児童虐待防止に取り組みます。

 大阪での個室ビデオ店火災を踏まえ、県内の個室ビデオ、カラオケボックスなど315の類似施設を対象に、消防法及び建築基準法適合状況について、緊急点検を実施しました。その結果263施設が、消防法と建築基準法のいずれかに違反していました。
 消防法上の違反は、自動火災報知設備の不備など軽微なものがほとんどであり、即時是正させましたが、改めてフォローアップ調査を実施するとともに、消防訓練の実施等ソフト面についても重点的に指導します。建築基準法関係では、排煙設備及び非常用照明の未設置や不具合が多かったことから、是正計画の報告を求め、工事が実行されるよう指導を徹底します。

第3は、環境対策です。

 これまで、共生と循環による持続可能な社会をめざし、平成14年5月に策定した「新兵庫県環境基本計画」に沿って、地域環境への負荷の低減、自然環境の保全、地球温暖化対策、環境学習など総合的な環境対策を推進してきました。こうしたなか、環境問題は、今や次世代に影響を及ぼす地球温暖化など世界規模での課題となっています。
 このため、「次世代に継承する"環境適合型社会"の実現〜日本の縮図・兵庫から全国に発信できる先導モデルの構築〜」を基本目標とし、施策の基本的な方向を示す「第3次兵庫県環境基本計画」を策定し、これを「県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」に基づき、議決いただきたく提案します。
 低炭素社会の実現やグリーンエネルギーの大幅導入などによる「地球温暖化の防止」、廃棄物について、排出抑制や資源化・再利用により物質循環を確保するとともに、適正処理を推進する「循環型社会の構築」、野生動植物の保全と共生、森づくりや自然再生などを推進する「生物多様性の保全」、交通公害対策など地域的な環境問題を解決し、環境影響を未然に防止する取組みを促進する「地域環境負荷の低減」の4つの施策目標を掲げ、計画の進捗について点検・評価を行いながら、効果的な実施を推進します。

 10月下旬には、中華人民共和国の上海市で「第8回世界閉鎖性海域環境保全会議(エメックス8)」が開催されました。
 会議では、「河川集水域と河口域との調和」をテーマとして、生物多様性、環境学習など幅広い議論が行われ、「上海宣言」が取りまとめられました。この宣言には、沿岸海域社会と沿岸海域そのものとの間の好ましい関係を表す「里海」という新しい概念が導入されており、人類と自然との調和を継続的に図っていく新しい取組みとして、世界にアピールしました。また、華東師範大学の学長と会談し、本県との様々な交流等の実施について合意しました。

 過度な装飾・照明等を備え、周辺の地域の景観を損なう、いわゆる偽装ラブホテル等の建築物への景観施策による対応の強化が求められています。このため、これらの建築物について地域景観との調和を図るために必要な基準を定めるとともに、新築に際して届出の義務を課し、必要な指導・勧告等を行うほか、景観影響評価手続の充実を図るため、景観の形成等に関する条例を改正します。

第4は、農林水産の振興です。

 先月、「第30回兵庫県民農林漁業祭」と「ひょうご認証食品まつり」を明石公園で開催しました。兵庫県認証食品の調理・試食イベント、パネル展示等により、ひょうご食品認証制度のPRも行い、2日間で約2万8千人の方々に兵庫の食を楽しんでいただきました。今後とも、地産地消や都市と農山漁村の交流及び食育の推進に取り組みます。

 先月22日、阪神間で生産された新鮮で安全・安心な農産物を販売する直売所「スマイル阪神」が伊丹市公設卸売市場にオープンしました。この直売所は、生産者と消費者を結ぶ農産物直売に加え、食と農の情報発信や生産技術指導も行うなど、都市農業の推進拠点となるものです。すでに、県内各地にこのような直売所が設置されていますが、引き続き、関係団体や地元市町と連携し、都市農業の推進、消費者と生産者の連携に取り組みます。

 平成17年度に開催された第29回全国育樹祭の開催を契機に、10月の最終日曜日を「ひょうご森の日」として、県下各地で県民が森に入り森づくりを実践する活動を実施しています。
 本年度は、10月26日の「ひょうご森の日」を中心として、10月及び11月に森林ボランティア団体等の協力を得て、雑木林の除伐や歩道づくりを行う里山林整備など、多彩な森づくり活動体験イベントを県内各地で実施しました。
 今後も、災害に強い森づくりを計画的に進めるとともに、県民参加による森づくり活動を推進し、新ひょうごの森づくりに取り組みます。

第5は、交流の連携と基盤づくりです。

 10月21日から24日まで、「東方地域都市計画住宅機構」等との共催で、「EAROPH姫路・兵庫世界大会2008」を開催しました。「住宅・都市文化の継承と持続性」をテーマとして、太平洋地域の国々の研究者を中心に約1,000人が参加し、歴史・文化や災害・防災・復興について活発な意見交換が行われました。
 今後も、この会議の成果も踏まえ、災害の教訓を生かした安全・安心なまちづくりに取り組みます。

 国においては緊急総合対策として、ETC利用車を対象に高速道路や本四道路の通行料金について、深夜及び休日昼間割引を実施しています。本県においても、10月26日から、物流の効率化や観光振興を図るため、播但連絡道路の通行料金割引を実施しました。大型車等を対象に平日0時から4時までの深夜、普通車等を対象に休日9時から17時の昼間に30%の割引をETC車だけでなく、全ての車を対象として、1年間行います。

 先月、「ふれあいの祭典―淡路ふれあいフェスティバル」を開催しました。今年度から新たなスタートを切った全県イベントについては、高校生などのボランティアが積極的に運営に参画するなかで、淡路地域のイベントに、他の地域の人々との交流・連携行事が加わるなど、世代と地域を越えた交流を深めることができました。

いなみ野学園が、本年で創立40周年を迎え、記念式典などの記念行事を行いました。これまで、高齢者学習の拠点として2万人を超える人々が学び、地域活動の実践家や地域のリーダーを多数輩出してきました。今後とも、専門性や実践活動を重視した質の高いカリキュラムを提供するとともに、嬉野台生涯教育センター等の施設と連携し、青少年から高齢者までのあらゆる世代の多様な生涯学習ニーズに応えていきます。

 来年の4月から6月、JRグループと共同し「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」を展開します。その冬のプレキャンペーンとして、今月から来年の2月までの間、冬の観光魅力である「温泉」や「食」をテーマとし、冬の風物の周知を図るとともに、「コウノトリの郷公園と城下町いずし周遊バス」や「丹波焼窯元工房での陶芸体験」など、県内各地において、特別イベントを開催し、本番に向け、さらなる誘客宣伝活動を展開します。

 エメックス8出席にあわせ上海市で、大阪府・京都府の知事とともに、観光トッププロモーションを実施しました。3府県の魅力を総合的にPRするとともに、上海市長との会談や旅行会社を訪問し、中国から関西への誘客促進を図りました。

第6は、地方分権の推進です。

 先月6日、年内に予定されている地方分権改革推進委員会第2次勧告に向け、麻生総理から地方農政局や地方整備局などの統廃合を行う意向が示されました。国の出先機関である地方支分部局の事務・権限の移譲については、各省庁から強い抵抗が示されており、その道筋は平坦とは言えませんが、地方分権改革を大きく進展させなくてはなりません。
 第1次勧告に基づく国直轄道路及び河川の権限移譲については、財源措置などの課題が解決されることを前提に、国土交通省との間で移譲対象やその時期等について具体的な協議を始めています。今後、第2次勧告の内容も踏まえながら、積極的に移譲を受ける方向で検討します。
 地方財政については、現下の厳しい経済情勢のもとで、昨年度に続き、本年度も地方財政計画で見込まれた税収を達成できない状況です。平成21年度の地方財政対策については、地方の財政運営に支障をきたさないよう、実態に即した税収と増嵩する財政需要を的確に見込み、地方交付税の総額確保など、相当な増加が見込まれる地方の財源不足に対する適切な措置が必要です。
 年末の政府予算案や地方財政計画案の策定等に向け、全国知事会等とともに、このことを国に対して強く主張していきます。

 一方、「関西広域連合(仮称)」については、設立に向けた準備を進め、関係機関との協議を重ねています。今後、来月に予定されている関西広域機構の「分権改革推進本部会議」において意見調整を行い、平成21年度以降の設立をめざします。

最後に、県財政の運営です。

 年度半ばを過ぎ、本県の財政状況は、普通交付税は当初予算見込みを上回る額を確保したものの、県税収入については、国際的な金融不安が企業業績の悪化や株価の低迷など実体経済に影響を及ぼしていることから、法人関係税や個人県民税配当割などが引き続き前年度を下回っており、極めて厳しい状況にあります。

 また、平成21年度の財政環境も、県税収入の大幅な減収が避けられないなど、引き続き厳しいものと見込まれます。
 このため、新年度予算の編成にあたっては、的確な地方財政計画の策定や地方財政対策がとられることを基本に、新行革プランに基づく組織再編や定員の削減、事務事業、投資事業の見直し、自主財源の最大限の確保など、行財政全般にわたりゼロベースからの見直しを行い、「選択と集中」の一層の徹底を図ります。
 また、今後の財政フレームや健全化判断比率の推移を十分に見極めながら、厳しい経済・雇用情勢に即応した機動的な施策展開や少子高齢、人口減少社会における新たな地域課題への対応、地域の個性と特色を生かした地域づくりなどを推進します。

 職員の給与改定については、去る10月9日に行われた県人事委員会からの「職員の給与等に関する報告及び勧告」の趣旨を基本に、新行革プランを踏まえ、国や他府県の動向、本県の厳しい財政状況等を勘案し、所要の改正を行うこととしています。

それでは、提出議案の概要について、説明します。

 まず、条例案件は、統計法が「行政のための統計から社会の情報基盤としての統計」へと全面改正されたことに伴う統計調査条例制定の件等8件です。

 次に、事件決議案件は、人口減少・少子高齢社会の到来など社会経済情勢の変化等を踏まえた兵庫県国土利用計画を変更する件等11件です。

 最後に、専決処分承認案件は、県立西宮病院の医療事故にかかる損害賠償について承認を求める件です。

 以上で、提出議案の説明を終わります。
 議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。