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知事提案説明

平成21年第300回臨時会 知事提案説明

 本日、平成21年度補正予算及び関連条例等についてご審議いただくため、兵庫県議会を開会いただきました。現下の厳しい経済雇用状況のもと、その回復対策の大きな柱は、デフレギャップ対策、有効需要対策です。政府の追加補正予算を活用して、兵庫県として更なる対策を追加しようとするものです。ご審議をよろしくお願いします。
 本県議会は、昭和22年5月、新しい地方自治法のもとに県議会が開会されてから第300回目となります。県議会の今日までの県政の発展へのご貢献に深い感謝を申しあげます。
  また、議員の皆様のご健勝をお喜びするとともに、そのご精励に対し敬意を表します。

 提出議案の説明に先立ち、新型インフルエンザへの対応についてご報告します。
 去る5月16日、神戸市内の高校生が国内で初めて感染していることが確認されました。 県としては、直ちに感染の拡大を防止するため、「兵庫県新型インフルエンザ対策計画」に基づき、発熱相談センターでの相談、発熱外来での診断、そして感染症指定医療機関への入院という基本的な対策ルートで対応することとしました。
 併せて、これ以上の感染の拡大を防ぐために、患者の生徒が通学している学校が所在する学区内の県立学校等を22日まで休業することを決定するとともに、神戸市立の学校や保育所、福祉施設等にも同様の要請を行うなど緊急対応を実施しました。また、県民利用施設の休業や行事、イベントなどの自粛を要請しました。
 さらに、県民に対しては、緊急対応への理解を求めるとともに、感染予防策を徹底すること、発熱時は、発熱相談センターに早期に相談することなど、冷静な対応を呼びかけました。
 緊急対応については、高校生に患者が多かったこともあり、学校区単位で順次拡大していきましたが、5月18日からは、県下全ての県立学校を22日まで臨時休校とし、併せて、全ての市町立学校及び私立学校にも臨時休校を要請しました。
 18日には、直接、舛添厚生労働大臣に対し、国民、地方自治体等への情報提供の徹底、円滑な医療実施のための体制整備、社会経済活動の制約等に伴い生じる損失への支援、風評被害防止への対応など11項目について緊急要望を行いました。
 このような中、5月22日、政府の「基本的対処方針」が示され、今回の新型インフルエンザは、季節性インフルエンザと類似する点が多いとし、地域の実情に応じた対応を行うこととされました。これを踏まえ、県としては、医療体制の維持充実、濃厚接触者対策など、患者治療や感染の拡大を防止するための対策に全力で取り組む一方で、社会活動面では、5月23日から、県全域又は一定の地域を対象とした面的な規制を解除し、施設単位での規制に転換することとしました。
 感染が全国に広がっており、依然、予断を許さない状況にあることから、引き続き感染防止対策を行っていきます。しかしながら、この23日以降の新規発症者は、その原因がほぼ特定されており、その数も減少していることから、沈静化に向かっているといえます。県民の理解と協力のもと、1日も早く通常の社会生活に復帰していくよう努めてまいります。
 また、この一週間、県内の旅館やホテルなどでのキャンセル、イベントの中止や延期が相次いでおり、交流人口の減少による地域経済への影響も懸念されます。県民生活や地域経済への影響を十分注視し、適時・適切な対策を講じ、新型インフルエンザの沈静化に向け万全を期してまいります。

 さて、これより提出いたしました議案の概要について、ご説明します。

 まず、補正予算についてです。
 アメリカの金融不安に端を発した世界的な景気後退の影響を受け、県内の経済雇用情勢が急激に悪化するなか、昨年秋以来、数次にわたり、本県として必要な緊急対策を、迅速かつ機動的に実施してきました。また、平成21年度当初予算においても経済雇用対策を最優先課題として編成し、平成20年度補正予算とあわせ14ヶ月予算として、切れ目のない対応を図っています。

 先般発表された平成21年1-3月期の実質GDP速報値は、年率換算で15.2%減と戦後最悪の落ち込みとなっていますが、本県では、3月の鉱工業生産指数が6ヶ月ぶりにプラスに転じ、また、中国需要の回復や在庫調整の進展などにより、景気の下げ止まりの兆しもみられます。しかしながら、輸出額は6ヶ月連続でマイナス、百貨店、スーパーの売上高や乗用車新車登録台数は、依然として前年を下回る状況です。雇用情勢も、有効求人倍率が2月以降0.5倍台まで低下するなど、全体としては、未だ厳しい状況が続いており、経済雇用対策に一層取り組む必要があります。

 このような状況のもと、現在、国会で審議されている「経済危機対策」に基づく平成21 年度第1次補正予算の関連事業や金融対策など、当面の本県経済に必要な緊急対策について、迅速かつ機動的に執行できるよう、平成21年度第1次補正予算を編成することとしました。

 補正予算の編成にあたっては、国の経済危機対策により措置された地域活性化・公共投資臨時交付金、経済危機対策臨時交付金、国の交付金等を活用して設置した基金及び元利償還金に交付税措置がある補正予算債等の財源を最大限活用することとし、追加対策に伴う実質的な一般財源負担が、後年度も含め生じないことを基本に、有効需要創出対策、金融・雇用対策、新型インフルエンザ対策、環境対策、健康・福祉対策、安全・安心確保対策などの緊急対策に積極的に取り組むこととしました。
 その結果、補正予算の規模は1,829億円となり、過去、震災復興関連の補正を行った平成7年11月補正2,379億円に次ぐ規模となりました。

 その1は、緊急的な有効需要の創出対策です。

 現下のデフレギャップを解消していくことが、喫緊の課題となっています。
 既に、本県では、21年度当初予算において、後年度実施予定事業を前倒しすることにより、20年度当初予算並の事業量を確保しましたが、さらに追加措置として、公共事業はもとより、県有施設の耐震化事業、地域情報化整備などを積極的に前倒しして実施します。

 まず、公共事業については、尼崎の森中央緑地公園整備などの環境対策、道路交通安全施設整備、広域河川改修、治山事業等の災害未然防止対策、地域間連携強化や交通渋滞の緩和等に向けた道路改築、重要港湾施設の改良、漁場整備など活力ある地域づくりを進めます。
 県営住宅や流域下水道において老朽化改修を進めるとともに、県立の文化施設、社会教育施設など県民利用施設の機能充実に向け、施設の改修や機器整備を行います。
 また、県立高校の耐震化を促進させるため、IS値0.3未満の校舎等について、24年度までの予定事業の1/2を前倒しするとともに、私立学校についても、新たに耐震改修工事の助成を県として上積みし、その促進を図ります。警察署等県有施設の耐震化や省エネ化改修も推進します。

 医療施設、社会福祉施設に対する地上デジタル放送の環境整備に向けた助成や県立施設の電波障害対策工事など地上デジタル放送への対応、県立学校でのデジタル情報化整備など学校のICT環境の充実、携帯電話不感地区を早期に解消する取組みなど地域の情報化を促進します。
 また、需要喚起の効果が早期に現れるよう、可能な限り上半期に発注を前倒しするととも に、県内受注や県内業者の実情を踏まえた工事の分離分割発注などにも配慮します。

  その2は、金融・雇用対策です。

 中小企業融資制度については、平成21年度当初予算において過去最大となる5千億円を確保するとともに、経営円滑化貸付の据置期間を2年間に延長すること、8千万円を超える無担保による保証についても弾力的に対応するなどの対策を行っています。
 今後は、緊急的な借入れに伴い融資残高が増えた企業が、毎年度の返済負担を軽減するため借換貸付を利用すると見込まれることから、その融資目標額を500億円増額し、1,000億円にします。
 併せて、長期資金についても返済負担を軽減するため、融資期間を10年以内に、据置期間を2年以内にそれぞれ延長します。

 次に、雇用対策としては、「緊急雇用就業機会創出基金」を積み増しし、県と市町とで雇用 創出を図る事業を追加します。県としては、福祉分野等への就労サポート、恐竜化石のクリーニング事業、企業の経営状況を把握するための調査など必要性が高い事業を実施し、21年度当初予算分とあわせて約2千7百人の雇用を創出します。
 また、労働需要が見込まれる職業分野への再就職を支援するため、介護福祉士コースなど 1千人規模の訓練コースを設置し、委託訓練を拡充します。

 失業者に対し、就労や住宅など総合的な支援を行うため、生活福祉資金貸付金の中に「総合支援資金(仮称)」を創設し、一時生活再建費用や住宅入居費用、生活支援費用を貸付するとともに、貸付要件の緩和を行います。
 また、公的給付等による支援を受けるまでの間の当面の生活に要する費用を貸付する「臨時特例つなぎ資金(仮称)」を創設するとともに、住居を喪失又は喪失する恐れのある者を対象とした「住宅手当緊急特別措置事業」により、最長6か月間の住宅費用を支援します。

 その3は、新型インフルエンザ対策です。

まず、発熱外来対応を行っている感染症指定医療機関の体制を強化するため、テント、消耗品等に対し支援するとともに、一般医療機関等での患者の受け入れに対応できるよう、院内感染防止の観点から必要となる陰圧装置等の整備を支援します。
 タミフル、リレンザの抗ウイルス薬について、3ヶ年で計画的に備蓄しているところですが、今年度の備蓄量を予定の2倍にするとともに、県指定専門外来医療機関に対するサーモグラフィの整備や、健康科学研究センターに細菌やウイルスを検査する安全実験室を整備します。

 県立高校、警察署、総合庁舎等行政窓口において、感染拡大を防止し行政機能を維持するための消毒薬・マスク等を整備するとともに、警察署・警察本部での感染防護服の整備など感染防止体制を強化します。
 また、新型インフルエンザに感染した生徒が在学する学校にカウンセラーを派遣して心のケアを実施するなど、生徒に対する相談体制を強化します。

 新型インフルエンザにより経営の安定に支障が生じている中小企業に対しては、経営円滑化貸付の利用を呼びかけるなどきめ細かな相談に対応するとともに、本県への観光入込客が大幅に減少していることを踏まえ、回復期以降において、商店街、観光関連団体等が、集客のために積極的にイベント等に取り組まれるよう支援していくとともに、県外観光客誘致のため、ツーリズムバスを400台追加します。
 さらに、全国へ兵庫の元気な姿をアピールするため、県下の市町や観光関連団体と連携して、兵庫の魅力をふんだんに盛り込んだ魅力的な観光宣伝ツールの作成や、全国への観光キャラバン隊の派遣、PRイベントの開催等による「ひょうご観光地元気回復キャンペーン」(仮称)を実施するなど、商業・観光対策を推進します。

 その4は、環境対策です。

 地球温暖化防止対策を推進するため、「環境保全基金」を積み増しし、この基金を財源として、一般住宅等へ太陽光発電システムを積極的に導入するため、「太陽光発電相談指導センター」を開設し、相談・指導、国の補助制度の対象とならない10kw未満の太陽光発電設備を設置する小規模民間事業者への設置費の助成、設置後のメンテナンスなどワンストップで支援を行います。
 また、大規模事業者が中小事業者に技術、資金等を支援し、共同して追加的に削減した排出量を大規模事業者に移転する「CO2削減協力事業」を推進するため、「CO2削減協力事業相談センター」を開設し、相談・指導、企業間のマッチングなど総合的な支援を行います。

 県環境率先行動計画(ステップ3)に基づき、温室効果ガス排出量削減の目標達成に向け、県有施設において太陽光発電設備の設置や省エネ化改修を行うとともに、信号灯器のLED化、県公用車の低公害車化を促進します。
 間伐等森林整備の促進と森林資源を活用した林業・木材産業等の地域産業の再生を図るため、「森林林業緊急整備基金」を設置し、条件不利森林における間伐事業や作業道の整備等を支援します。
 併せて、「森林整備地域活動支援基金」を積み増しし、森林施業に必要な現況調査など森林整備促進のための地域活動を支援します。

 その5は、健康・福祉対策です。

 医療圏域単位での医療機能の強化や医師確保に向けた取組み、地震等災害発生時に適切な医療を提供するための設備強化を支援するため、「地域医療再生・医療施設耐震化支援基金」を設置し、県が策定する地域医療再生計画に基づいた地域医療の再生や、医療施設の耐震化を推進します。
 難病等特定疾患医療費助成については、一般特定疾患の対象疾患が拡充されることとなっており、追加指定を踏まえて適切に対応します。

 「安心こども基金」を積み増しし、雇用情勢の悪化等による待機児童の増加に対応した保育所の緊急整備や、放課後児童クラブの整備、ひとり親家庭の生活・就業支援など地域の実情に応じた子育て支援を推進します。
 次世代育成支援の一環として不妊治療の経済的負担を軽減する特定不妊治療費助成の1回あたり助成額を、10万円から15万円に拡充します。

 介護職員の雇用環境の改善や地域の介護ニーズに対応するため、「介護職員処遇改善・介護基盤整備等支援基金」を設置し、介護職員の賃金引き上げや、高齢者福祉施設の開設経費等に対し支援するとともに、特別養護老人ホームの追加整備に助成します。
 また、社会福祉施設入所者等の安全・安心を確保するため、「社会福祉施設等防災整備基金」を設置し、スプリンクラーの整備や耐震化整備を支援します。
 さらに、「障害者自立支援特別対策事業基金」を積み増しし、新体系サービス移行に向けた施設改修や運営の安定化対策などの障害者自立支援特別対策事業、介護職員の処遇改善や現任介護職員の技術研修などの福祉人材確保対策事業を進めます。
 高齢者の生涯学習の拠点施設である「いなみ野学園」において、中教室を前倒し整備するとともに、構造上課題があり改修が困難な駅を除く12の全ての鉄道駅舎でバリアフリー化事業を促進させるなど、高齢者や障害者等誰もが安心して生活できるまちづくりを推進します。

 その6は、安全・安心確保対策です。

 消費者行政の一層の充実を図るため、「消費者行政活性化事業基金」を積み増しし、消費生活相談・啓発事業等を充実するとともに、「自殺対策強化基金」を設置し、自殺相談体制や啓発事業等を強化するなど、くらしの安心に向けた事業を推進します。
 また、「高等学校授業料減免等支援基金」を設置し、私立高等学校における授業料の減免や高等学校奨学資金の拡充を行うとともに、生活保護費について、こどもの健全育成を図るため、家庭学習やクラブ活動に要する経費を支給するなど、児童生徒の就学支援を行います。

 昨年3月に発生した明石海峡船舶事故で沈没した船舶(ゴールドリーダー号)について、第5管区海上保安本部長からの油抜き取り要請に基づき、県市共同で、油抜き取り作業を実施します。

 その7は、地域活性化対策です。

 「定住自立圏」の形成が見込まれる地域を対象に、県が策定する「定住自立圏等民間投資促進プログラム」に基づき民間事業者等が行う医療・福祉、地域交通などの初期投資を支援します。
 地域の情報化を推進するため、災害・防災情報や子育て情報等多様な情報を提供する「地域ICT利活用モデル事業」を実施するとともに、理科教育設備や産業教育実験設備を充実するなど学習環境の整備を行います。

 最後に、兵庫県議会議員宝塚市選挙区において欠員が生じましたので、兵庫県知事選挙に併せて補欠選挙を実施します。

 以上、歳出予算についてご説明しましたが、その予算規模は、
一般会計で 1千804億9千9百万円の増額
特別会計で    21億5千5百万円の増額
企業会計で     2億5千9百万円の増額  です。

 次に、条例案件は、国の補正予算に関連して新たに6つの基金を追加する、緊急雇用就業機会創出基金等設置条例の一部を改正する条例制定の件です。

 事件決議案件は、日本海西部地区直轄特定漁港漁場整備事業に係る費用の一部について県が負担する額を変更することに同意する件です。

 専決処分承認案件は、県営ため池等整備事業において発生した水難事故に係る和解及び損害賠償額について専決処分を行ったので承認を求める件です。

 以上で、提出議案の説明を終わります。議員の皆様におかれては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただくようお願いします。