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知事提案説明

平成21年第301回定例会 知事提案説明


本日、第301回兵庫県議会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告をします。

第1は、新型インフルエンザへの対応です。

 この6月3日、「ひょうご安心宣言」を発表しました。
 5月27日以降、新規の患者は高校生とその家族だけで、感染経路もほぼ特定されています。高校関係者以外の患者も、5月26日に感染が確認された1名の方も含め、全て完治しています。また、今回の新型インフルエンザは、季節性のものと症状が類似しており、基礎疾患がある方を除いては特別な医療等の対応は必要ないとされています。今後、散発的な発生はあっても、集団的な発生の可能性はほとんどないと考えられます。こういう状況を踏まえたものです。
 引き続き、発熱相談窓口や発熱外来等の医療体制を堅持しつつ、適時・適切な対策を行います。併せて、これまでの対応や疫学調査などに基づく検証・分析を進め、今秋以降に危惧される第2波への備えなどの課題の解決を図る「第三者委員会」の設置や新型インフルエンザについての専門家等による共同研究の実施、学校等における発症状況を早期に探知する「サーベイランスシステム」の構築などにより、県民の安心の確保に向け万全を期してまいります。
 また、中国広東省や台湾、国内企業からのマスクの寄贈など、国内外から暖かいご支援をいただいたことに対し、お礼申します。
 しかしながら、新型インフルエンザの風評被害により、県内企業や観光地が受けた影響は 極めて深刻です。
 そのため、中小企業の資金繰り支援として、先の補正予算での借換貸付の増額や長期資金の条件緩和に加え、経営円滑化貸付の貸付要件の緩和や借換貸付の金利の引下げによる対策を実施しました。さらに、JR各社とともに「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」の推進、兵庫の元気な姿を全国にアピールし、誘客促進を図るためのキャラバン隊の派遣、県内各地でのイベントの開催支援などを行っていきます。

第2は、自然災害への備えです。

 平成16年の台風災害を踏まえ、風水害対策を総合的・計画的に進めるため、ひょうご治山・治水防災実施計画に基づいた「治山・治水アクションプログラム」を策定しました。
 洪水時に甚大な被害の恐れのある県下42河川流域を対象に、治山・治水施設の整備状況 や整備計画、土砂災害危険箇所などの警戒情報、災害時の警戒・避難活動の取組など、ハード・ソフト両面からの防災対策をとりまとめました。
 今後、このプログラムを広く周知し、県、市町、地域住民一体となった水防活動、避難活動など防災活動の取組を推進します。
 また、円山川、洲本川など県下8河川で取り組んでいる激甚災害対策、床上浸水対策特別緊急事業等については、早期の完成を目指し、鋭意、事業推進を図っています。

 都賀川で発生したゲリラ豪雨に伴う事故を契機に、親水施設があり急激に水位上昇の危険性のある19河川で増水警報システムの整備を進めてきました。都賀川については、既に運用を開始しており、7月中旬には全ての河川において完成します。

 今年も、まもなく増水期を迎えます。風水害から県民の生命や財産を守るため、CGハザードマップなどを活用した災害危険性の事前周知、県・市町等関係機関による水防体制の構築、洪水警報や土砂災害警戒情報などの危険情報の提供など、防災・減災対策を推進していきます。

第3は、消費者行政の推進です。

 消費者の安全安心を確保し、消費者行政を総合的に推進するため、「兵庫県消費者行政推進本部」を設置するとともに、「生活消費局」を新設し、消費生活相談と衛生研究を一体化した健康生活科学研究所や各地の生活科学センター、消費生活相談窓口が連携して、契約トラブルから食に関する科学的分析まで、消費者の多様な相談に対応しています。
 複雑化する消費者相談に対応するため、消費生活相談員の研修や巡回相談の開催、商品テストアドバイザーの設置など相談体制を強化しました。
 また、地域での消費活動を推進するため、消費生活講座の開催、消費者団体等との連携による普及啓発、物価監視などの取組を展開しています。
 さらに、県内全ての食品事業者を対象とした、食品の生産から販売に至る流通履歴を把握する本県独自の「ガイドライン」や、事業者の規範意識を醸成するための品質管理や事故情報の開示方針等を示した「事業者自主行動基準の指針」の策定を進めるとともに、県版HACCP認定施設の拡大に向けた普及啓発に取り組むなど、事業者の自主管理の推進を図っています。

第4は、産業・雇用対策です。

 「ひょうご仕事と生活センター」が6月3日に開設しました。
 企業に人材確保や生産性をもたらし、勤労者に働く意欲や働きがいをもたらす、「仕事と生活との両立を図る」取組を全県的に推進する拠点となります。
 先進的な取組事例等の情報発信やワンストップによる相談、企業等への相談員・講師の派遣、出産・育児等により離職した女性の職場復帰への支援など、総合的に推進していきます。

 次世代スーパーコンピュータについては、参加企業の一部がプロジェクトから撤退すると いう残念な出来事がありましたが、国家プロジェクトとして、世界最速・最高性能の計算能 力の達成に向け、強力に推進されることとされています。
 県としても、「高度計算科学研究支援センター(仮称)」の整備や県立大学大学院の「先端計算科学研究科(仮称)」の開設準備を着実に進めます。

第5は、農林水産業の振興です。

 本県農業を支える新規就農者の育成を総合的に支援する「ひょうご就農支援センター」を開設しました。
 今後、このセンターを拠点として、関係団体や市町、農業協同組合等との密接な連携のもと、学生から社会人までの幅広い年齢層や企業等に対して、出前講座や新規就農チャレンジなどの啓発から、技術指導、経営確立に至るまでの総合的な支援を行います。

 本県では、平成4年度から、環境負荷軽減に配慮した技術の導入を進めており、地元兵庫の 安全安心な農作物の供給を進める「ひょうご安心ブランド農産物認証制度」や、人と環境に優しい農業を進めるモデル事例として注目を集めている「コウノトリ育む農法」など、環境創造型農業を進めてきました。
 この度、この取組を更に推進するため「兵庫県環境創造型農業推進計画」を策定しました。
 この計画では、平成30年度までに、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を30%以上低減した作付面積を37,000ha(全体の75%)に拡大し、ひょうご安心ブランド農作物の生産面積を現状の10倍、有機農業を6倍にする目標としています。そのため、全県及び地域での推進体制の強化、生産技術の研究と農業者への技術指導、流通・販売の促進、県民への普及啓発など総合的に取り組みを進めていきます。

第6は、環境対策です。

 6月は環境月間です。本日「環境の日」に開催する「地球と共生・環境の集い2009」をはじめ、自然観察会、地域美化運動など多彩な行事が展開されます。県としても、このような環境への取り組みと連携し、県民参加の環境対策を積極的に推進していきます。
 また、地球温暖化対策については、ポスト京都議定書をにらんだCO2削減対策の方向を示す「次期兵庫県地球温暖化防止推進計画」の策定を進めています。

第7は、健康福祉対策です。

 今後の福祉・介護ニーズに対応できる質の高い福祉人材を確保するために、「福祉人材確保 対策推進プログラム」に基づき、「職場体験」、「雇用のマッチング」、「キャリアアップ研修」などに取り組んでいます。
 本年3月、群馬県で発生した有料老人ホームの火災を受け、県内の有料老人ホームの中で、 届出がされていない疑いのある施設を対象に緊急点検を実施した結果、基準に適合しない施 設が11施設あることが判明しました。高齢者の安全と適切な処遇を確保するため、基準に適 合するよう指導を徹底します。

 県内の自殺者が依然高い水準で推移しています。このため、「兵庫県自殺対策推進本部」 を設置し、こころの健康対策講座や相談体制を充実させるとともに、壮年向けの「必要な人を精神科医療につなげる理解促進モデル事業」、高齢者向けの「ヘルパー等介護スタッフへの研修」など世代別のきめ細かなアプローチや、9月の自殺予防週間にあわせ重点的な広報を行うなど、自殺対策を総合的に推進していきます。

 開館20周年を迎えた県立こどもの館において、「こどもフェスティバル」を開催し、約8 千人の親子連れで賑わいました。また、「新ひょうご子ども未来プラン」の策定に向け、多くの県民の意見をいただくリレートークを県内各地で開催しています。
  深刻化する児童虐待の防止については、川西こども家庭センターの設置、全てのこども家 庭センターへの児童福祉専門調整員の配置など体制を強化し、緊急保護を要する困難事案に対応しています。
 こうした中、小野市で発生した痛ましい事件を受け、虐待につながるSOSサインを見逃さず早期に対応するため、民生委員児童委員や関係団体に対し、改めて通報や専門機関との連携の徹底を依頼しました。既に、地域の女性団体を中心とした子育て応援ネットが緊急呼びかけを行うなど地域の自主的な動きもみられます。引き続き、地域や市町、こども家庭センターが一体となった取組を進めます。
 配偶者等からの暴力対策については、「配偶者等からの暴力対策基本計画」を改定し、相談、一時保護から自立支援に至るまで、切れ目のない対策を推進します。

第8は、教育の推進です。

 兵庫の教育の成果と課題を踏まえつつ、一層充実させるため、本県教育施策の基本的な計画となる「ひょうご教育創造プラン(兵庫県教育基本計画)」を策定しました。「県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」に基づき、議決いただきたく提案するものです。
 学校教育を中心とする「創造性を伸ばす教育への取組」、体験教育をはじめとした「兵庫の特色ある教育の推進」、子どもたちの学びを支える「学校・家庭・地域の一体となった取組」、学校の環境整備や教職員の資質向上など「学びの環境づくり、信頼される学校づくり」、県立大学を中心とする「高等教育の推進」、「生涯学習社会づくりの推進」の6つの教育施策の重点目標を掲げ、積極的に展開していきます。

 本年1月、弥生時代後期の鉄器生産集落跡としては国内最大規模となる「垣内(かいと)遺跡」が発見されました。既に23の竪穴式建物跡が発見されています。
 鉄器の生産や流通を解明する上で、学術的にも貴重な遺跡であり、今後、地元淡路市と連携の上、国指定史跡化に向けた発掘調査や、史跡を活かした地域づくりなどに取り組みます。
 そのため、住民参加による古代鉄器生産体験の開催や竪穴式工房の復元など、先行事業を展開していきます。

第9は、交流の連携と基盤づくりです。

 新型インフルエンザ発生の影響により、本県への観光入込客が大幅に減少しています。
 そのため、残り1ヶ月となりました「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」 について、「灘の酒蔵ループバス」「播磨の国宝めぐりバス」、「豊岡産かばんのお誂(あつら)え」「淡路島牛丼」など、創意工夫をこらしたイベントを積極的に展開してまいります。
 また、兵庫の元気な姿を全国にアピールしていくため、今月から、「観光キャラバン隊」の派遣や地域の商店街や団体のイベントを支援する「地域元気回復支援事業」を実施するとともに、県立の県民利用施設11施設において入場料の引き下げを行います。
 さらに、PRイベントの開催など「ひょうご観光地元気回復キャンペーン(仮称)」を実施し、誘客促進を図っていきます。

 過日、わが国に現存する唯一の移住関連施設である旧神戸移住センターが、「海外移住と文 化の交流センター」としてリニューアルオープンしました。海外移住の歴史・意義を伝える資料の展示や在住外国人の交流の拠点、母語や日本語教育研修への支援、国際的な芸術交流などを通じて、多文化共生が推進されることを期待します。

 播磨の海の玄関口である姫路港は開港50周年を、また、但馬の空の玄関口であるコウノトリ但馬空港は15周年を迎えました。
 姫路港では、「みなとがひらく播磨の未来」をテーマにリレーイベントを開催しています。7月には、大型船「ふじ丸」の船内見学や、ふれあいポートステージなど「海の日記念フエスティバル」を開催します。
 また、コウノトリ但馬空港は、20年度の利用率、利用者数が開港以来最高を記録しました。 「但馬空港フエスティバル」や地域交流イベントなど各種記念事業を開催し、更なる利用促進を図るとともに、首都圏の玄関口である羽田空港への直行便の実現に向け、関係機関への取組を積極的に展開します。

第10は、地方分権の推進です。

 直轄事業負担金については、その廃止が実現するまでの運用面の改善に向けて、負担金の算定基礎となる経費の詳細について情報開示を求めてきました。
 しかしながら、今回示された平成20年度分の負担金の情報開示は、全国知事会が求めていた広報費、車両費の内訳明細が、経費の区分管理を行っていなかったとの理由で示されておらず、各節の細目単位の使途の積算についても明示されないなど不十分なものでした。
 また、国庫補助事業では認められていない庁舎営繕費、退職手当等の経費が含まれているなど問題があります。
 そのため、今後、平成21年度分に係る直轄事業負担金の適正化に向け、全国知事会とも連携しながら、国に強く働きかけていきます。
 もともと、直轄事業負担金は、国の事業であるのに、地方に一部を負担させるという根拠が不明確であるうえに、事業箇所、事業内容の決定等に地方の意見が反映されないなど制度的問題があります。従って、直轄事業負担金制度の廃止、特に、維持修繕費の負担は直ちに廃止されるべきです。積極的に取り組んでいきます。

 関西広域連合については、その発足に向けた取組を進めています。
 5月8日には、近畿2府4県の議会議長と意見交換を行い、広域連合の設立に向けた議論に各府県議会としても深く関わっていただくよう依頼しました。
 本県議会では、今定例会で、「関西広域連合に係る調査・検討のための特別委員会」が設置される運びとなりました。
 今後は、十分な議論を重ねるなかで、県議会の理解を得て、関西広域連合の早期設立に向け取り組んでいきます。

第11は、行財政運営についてです。

 現在、新行革プランの20年度実施状況について、「行財政構造改革審議会」での審議を開始しています。また、公社等の経営状況全般にわたる評価は、「公社等経営評価委員会」において行っており、これらを踏まえ、実施状況を9月の県議会に報告します。
 なお、職員の夏季の期末・勤勉手当については、5月14日の人事委員会の報告において、「4月の調査結果からは、県職員の期末・勤勉手当に直ちに反映させる判断には至らなかった」とされたことを踏まえ、この6月期は現行条例どおりとし、秋に行われる人事委員会勧告を受けて、適切に対処してまいります。

最後に、平成20年度決算見込みです。

 過日出納を閉鎖し、現在、集計整理している段階であり、その詳細が明らかではありませんが、平成20年度決算については、新行革プランに基づく改革の成果もあり、一般会計の実質収支が、過去最低の黒字額であった平成19年度決算より改善するとともに、実質単年度収支が8年ぶりに黒字に転換するものと見込まれます。

提出議案の概要について、説明します。

 条例案件は、歯科技工士法の改正により、歯科技工士試験の名称が改められることに伴う、「使用料及び手数料徴収条例の一部を改正する条例制定の件」等5件です。

 事件決議案件は、「ひょうご教育創造プラン(兵庫県教育基本計画)を策定する件」等10件です。
 以上で、提出議案の説明を終わります。

 議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

 最後に、7月31日をもちまして、私の知事としての任期が満了しますので、一言、お礼を申し上げます。
 平成13年8月の知事就任以来、大震災からの創造的復興をはじめ、不況への取り組み、県民生活の安全と安心、国体の実施や芸術文化センターなど県民の元気づくりを進め、元気で安全安心の兵庫の実現をめざしてきました。この間、議員の皆様、県民の皆様の温かいご理解とご協力をいただき、心からお礼を申します。
 今、まさに変化と激動の時を迎えています。それだけに、引き続き県政を担い、大震災からの復旧復興のステージを乗り越え、これまでのともに築き上げてきた兵庫を踏まえて、新しい21世紀の兵庫づくりを進めたいと決意しています。
 安全安心、生活先進、環境優先、産業立県、交流促進、自立共生をキーワードとして、経済の早期安定と雇用創出をはじめ、行財政構造改革の着実な推進、少子化、高齢化、都市と農村との格差是正、安全安心の確保などの課題にひとつひとつ応えることにより、兵庫の再生、元気な兵庫づくりに全力を尽くしてまいります。
 変化の激しい時代だからこそ、この変化に、柔軟に、しかもしたたかに、そして真正面から取り組まねばなりません。変革、挑戦、全力を基本としていきます。
 議員の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻をいただきますよう心からお願い申し上げます。