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知事提案説明

平成18年第287回定例会 知事提案説明


 本日、第287回兵庫県議会の開会にあたり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びし、日頃のご精励に感謝します。

 提出議案の説明に先立ち、若干のご報告をします。

 第1は、安全と安心の確保です。

 まず、総合的な防災、減災対策です。
 阪神・淡路大震災から11年を経過しましたが、私たちの経験や教訓を世界の災害に生かす必要があります。また、昨年の国連防災世界会議で採択された「兵庫行動枠組」の具体化を図ることは、被災地の責務です。このため、国連が災害時の緊急対応など、国際防災の初動対策に要する資金として、国連中央緊急対応基金を設けましたが、これに1億円を拠出することとしました。先月、私自身ニューヨークの国連本部を訪問し、バルセナ国連官房長代行に拠出金の目録を贈呈しました。今後、この基金がさらに充実し、国際的な連携のなかで、防災対策が効果的に進められることを期待します。 

 世界は自然災害が続出しています。さる5月27日にはインドネシア・ジャワ島中部で大地震が発生しました。6千人を超える死者、負傷者も1万人を超える大規模なものとなりました。早速に被災地への支援として、見舞金の贈呈を行うとともに、義援金の募集を開始しました。また、救援物資として毛布1千枚を送付しました。さらに、医療チームや状況把握の先遣チームを派遣しました。今後、現地のニーズを踏まえ、さらなる支援を行います。

 兵庫県住宅再建共済制度については、昨年9月の発足以来、制度への理解を深め加入促進を図っていますが、未だ加入は7万7千戸にとどまっています。今後とも、自然災害に対する自らの備えであるとともに、相互扶助として他者への備えでもあることを訴え、地域の特性に応じて、企業・団体や、自治会等の協力も得ながら加入を奨励していきます。

 一昨年の台風23号等一連の風水害からの復旧復興については、河川、道路、農地の復旧は概ね完了し、また風倒木についても、人家や公共施設等に近い箇所を中心に処理を終了しました。さらに、円山川の緊急治水対策事業、淡路地域のため池の復旧などを計画的に進めています。今後は、今回の風水害の教訓を生かし、森から海までの流域全体にわたるハード・ソフト両面の対策を取りまとめた「ひょうご治山・治水防災実施計画」を策定し、総合的な防災、減災対策を進めます。

 次に、くらしの安全・安心対策です。
 安全・安心な兵庫の実現を目指し、「地域安全まちづくり条例」を4月に施行しました。まちづくり防犯グループの結成に引き続き取り組むとともに、県の中期的な施策の方向を定める推進計画や、県民が活動を展開するガイドラインとなる指針の策定を進め、犯罪のない安全で安心なまちづくりを目指す活動を応援し、その定着を図ります。

 また、青少年の健全な育成と保護のための良好な環境づくりを進めるため、昨年青少年愛護条例を改正し、図書類・がん具類の有害指定基準の拡大、図書類等の自動販売機への規制強化、青少年の深夜外出の抑止等を図りました。県民、事業者に対し、改正条例の周知徹底を図るとともに、青少年愛護活動推進協力員の活動強化や有害情報等への対策に積極的に取り組みます。

 食の安全安心と食育については、4月に施行した「食の安全安心と食育に関する条例」に基づき、審議会を設置するとともに、食の安全安心と食育を総合的・計画的に進めるため、推進計画の策定を進めます。また、県民が情報や意見を交換し、相互に交流する機会として、県下でフォーラムを開催するなど、食の安全安心と食育の推進に向けた取り組みの一層の推進を図ります。

 アスベスト対策については、3月20日に「石綿健康被害救済法」に基づく国の救済制度がスタートしました。国の施策に加え、本県独自の取り組みとして、住民検診等を通じたアスベスト健康管理手帳の交付や、住宅吹き付けアスベスト除去の特別融資、アスベスト使用建築物管理システムの構築等を実施しています。今後とも適切な被害者の救済と被害の未然防止を進めます。

 耐震強度偽装問題に対応して、平成11年の建築確認の民間開放以降、県が確認処分を行った住宅について、構造計算の再確認を行ってきましたが、このたび、県が図書を保存していた平成14年度から16年度の住宅については、問題がないことを確認しました。残りの構造計算の再計算については、申し出があれば対応することとしています。

 第2は、環境対策の推進です。

 この5月9日から12日までの間、フランス西海岸のカーン市で「第7回世界閉鎖性海域環境保全会議(エメックス7)」が開催され、「閉鎖性海域の持続可能な共同発展:私たちの共有責任」をテーマに、世界各国の研究者、NPO、市民等の参加のもと、沿岸域の環境保全など様々な取り組みについて報告や議論が行われました。また、学生による青少年環境教育交流セッションも開催され、県立農業高校などの生徒が日本を代表して参加し、活発な意見交換を行いました。そして、地球全体の沿岸域を「海域とそこに住む人々が共存する圏域」ととらえ、次世代に財産として引き継げるように、環境を持続的に利用し、保全する責任を私たち全てが果たしていくことを求める「カーン宣言」を採択し、世界にアピールしました。
 今後は、既に進めている森・川・海をフィールドに、学校、地域、NPOなどとの参画と協働のもと、子供の頃から環境保全の大切さを体験を通じて学ぶ環境学習に一層の取り組みを進めます。

 また、昨年2月の京都議定書の発効を受け、地域においても、より一層の地球温暖化防止対策が求められています。条例による温室効果ガス排出抑制計画策定義務等の対象事業者を拡大するとともに、省エネ家電の普及促進など、県民、事業者、行政が一体となって地球温暖化防止対策を推進しています。
 現在、新兵庫県地球温暖化防止推進計画の改訂を進めており、今後も住宅用太陽光発電や風力発電施設の導入、バイオマス発電事業化のための調査に取り組むなど、より効果的な地球温暖化防止対策に取り組みます。

 第3は、健康生活対策です。

 へき地等における医師確保のため、県が採用した医師を一定期間へき地医療機関に派遣する制度を今年度始めたほか、神戸大学や兵庫医科大学と連携して公立豊岡病院、日赤柏原病院などに「へき地医療等に関する特別講座」を開設するなど、医師の確保に努めています。
 今後は、但馬地域の医療提供体制のあり方について検討を進めるなど、地域医療の確保のための取り組みを一層進めます。

 新型インフルエンザ対策としては、WHO神戸センターと連携して最新情報を入手するほか、疑い患者が発生した場合には、直ちに感染症法に基づく隔離等、適切な対応をするなど、実践的なマニュアルを定めて万全を期します。

 なお、去る5月22日には、WHO神戸センターと本県との連携諸事業に深いご理解と多大なご支援をいただいたWHO事務局長の李鍾郁(イ・ジョンウク)博士がご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りします。

 第4は、経済・雇用対策の推進です。

 本県経済は、輸出の増加や設備投資の拡大傾向が続くなか、企業の景況感は全体として良好であり、雇用面においても新規求人数が堅調に推移するなど、回復から進展への動きが強まっています。
 このようななか、「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」の初年度である平成17年度においては、中小企業の新技術、新商品の開発や経営革新、商店街の活性化、国内外からの企業誘致などで大きな成果がありました。引き続き、本県経済の持続的な発展に向け、ものづくり産業の競争力強化や中小企業の経営力の向上、商店街や観光ツーリズムの振興を図るとともに、多様な就業ニーズに応じた安定した雇用の創出に取り組みます。 

 特に、地域金融のあり方については、政府系金融機関や信用保証制度の見直しなど、制度金融の変革を踏まえ、県内の商工団体や金融機関等をメンバーとする「ひょうご地域金融懇談会」を開催し、預貸率の向上と地域金融の充実について、今後、検討を進めます。

 県内の企業誘致は、プラズマディスプレイの新工場など近年順調に推移し、平成17年の工場立地件数は80件と、全国4位の高水準となっています。産業集積条例に基づく支援策の活用だけでなく、県内や近畿圏における企業誘致活動を強化するなど、一層戦略的な取り組みを進めます。

 第5は、のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会です。

 のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会の開催まで残すところ117日となりました。開会式の一般観覧者入場券の申し込み受付が始まり、この5月28日には、のじぎく兵庫大会のリハーサル大会を実施するなど、開催気運もいよいよ盛り上がってきました。
 こうした中、今月25日には神戸市内において各競技団体やボランティア等による「開催100日前イベント」を実施するとともに、各市町においても節目イベントを実施するなど、大会に向けて県民総参加の意欲の高揚を図ります。
 震災から新しく生まれ変わった兵庫の姿を全国に披露するとともに、震災時に全国から寄せられた暖かい支援に感謝を表す国体、県民総参加の国体、そして新しいスタイルの国体を目指し、9月30日の開幕に向け、全力で取り組みます。

 北近畿豊岡自動車道春日和田山道路が国体開催にあわせ全線供用開始します。丹波・但馬地域の産業や経済の発展と都市部との交流促進に資するとともに、のじぎく兵庫国体における会場へのアクセスをサポートするなど、その整備効果を大いに期待します。
 また、播但連絡道路については、播磨地域からの利用促進、渋滞緩和や環境改善の効果を期待し、利用者の要望も踏まえ、6月1日からさらなる料金引き下げを本格的に実施しました。

 第6は、芸術文化の振興です。 

 県内すべての中学1年生を対象にした音楽鑑賞事業「わくわくオーケストラ教室」が、5月に芸術文化センターでスタートし、迫力ある生の演奏を間近に体験しました。芸術文化センターでは、今年度、「メトロポリタン・オペラ」など話題性の高い事業からワンコインコンサートなど親しみやすい事業まで、「自ら創造し、県民とともに創造する芸術文化シアター」として、多彩な事業を展開していきます。
 
 また、兵庫陶芸美術館では、開館記念特別展として、好評を博した「バーナード・リーチ展」に続き、「陶芸の現在、そして未来へ」や各種企画展を開催するほか、若手陶芸家の養成、地域との連携事業の開催により、陶芸文化の振興と陶磁器を通じた県民の交流を促進します。

 第7は、地方分権への取り組みです。 
 
 三位一体改革については、3兆円の税源移譲が実現したものの、地方6団体の改革案がほとんど実現されていないなど課題も多く残されています。また、国においては、骨太の方針2006の策定に向けて、歳出・歳入一体改革が検討され、地方交付税の削減が大きな課題とされています。
 特に、地方交付税について経済財政諮問会議等において、交付税総額を削減すること自体を目的とした議論が展開されていることは、国の責任を単に地方に転嫁しようとするものであり、到底許されるものではありません。地方公共団体の行う基本的な行政サービスの7割以上が国の関連事業であるという現状のなか、このような行政サービスの水準を見直すことなく、中間支出である地方交付税を削減することは困難であり、まず、国の事業の整理・合理化を徹底することが必要です。
 このようななか、地方6団体では、税源移譲を含む地方分権につながる分権社会のビジョンについて審議するため設置した新地方分権構想検討委員会の中間報告をもとに、地方交付税を地方共有税にすることなどを内容とする「地方分権の推進に関する意見書」を取りまとめ、内閣及び国会に提出することになりました。
 今後、骨太の方針2006の策定において、この意見書が盛り込まれ、地方分権がさらに進展するよう、引き続き、県自治体代表者会議や全国知事会とともに一致結束して、国に働きかけていきます。

 また、平成の大合併の結果、県内市町は29市12町の41市町へと再編されました。ポスト合併期における県と市町のあり方について引き続き検討を進めていきます。

 最後に、平成17年度の決算見込みです。

 過日、出納を閉鎖し、現在、集計整理している段階であり、未だその詳細がつまびらかではありませんが、県税収入の決算見込額が、現計予算額を若干上回り、一般会計の実質収支は黒字を確保できるものの、実質単年度収支は引き続き赤字となる見込みです。

 これより、提出議案の概要について、ご説明します。
 まず、条例案件は、所得税からの税源移譲に伴う県民税の税率のフラット化など地方税法が一部改正されたことに伴う、兵庫県税条例の一部を改正する条例制定の件等3件です。
 次に、事件決議案件は、県立歴史博物館展示改修工事請負契約締結の件等7件です。
 最後に、専決処分承認案件は、地方譲与税及び地方交付税等の額が確定したこと等に伴う平成17年度の一般会計補正予算について承認を求める件です。

 以上で、提出議案の説明を終わります。

 議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。