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知事提案説明

平成18年第286回定例会 知事提案説明


 第286回兵庫県議会の開会にあたり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びし、日頃のご精励に敬意を表します。

 まず、開会に先立ち行われた、芸術文化センター管弦楽団の諸君の新鮮で躍動感あふれる演奏は、まさしくあの大震災を乗り越えて、新たな飛躍をめざす兵庫の未来を感じさせてくれました。今後の益々の活躍を期待します。

     

 この1月12日陪聴した歌会始の儀において皇后陛下がお詠みになられた御歌「笑み交はし やがて涙の わきいづる 復興なりし 街を行きつつ」は、被災地への深いお心入れと今後へのご激励をいただいたものと心から感謝しています。私は、そのとき、あの10周年の際の想い、ようやくここまで来れたという感慨とこれまでの復旧復興に向けての被災地の歩みの一つ一つが脳裏に甦り、こみ上げる感動を押さえることができませんでした。
 いま、阪神・淡路大震災から11年が経過し、すでに本県の人口や経済は震災前の水準を回復しました。これまでの創造的復興への努力の積み重ねの上に、ようやく新しい兵庫づくりをめざす新たな出発のスタートラインに立っていると言えましょう。
 それだけに、私たちは、新たな飛躍、元気な兵庫をつくり、どこよりも安全安心で活気に満ちた地域社会を築いていかなければなりません。

 ここに平成18年度の予算を提案するにあたり、県政に取り組む基本的な考え方を説明します。

(時代認識)
 いま、私たちの社会では、自己の利益を優先し、最も尊重されるべき人の命や健康を軽んじる事件や出来事が多発しています。とりわけ、耐震強度の偽装問題では、あの阪神・淡路大震災における貴重な経験や教訓、すなわち自然災害に対する事前の備えの大切さということが全く生かされていないことに愕然としました。
 また、職業人や専門家としての倫理感の欠如、プロとしての誇りのない行為には、強い憤りを覚えざるを得ません。経済至上主義、物の豊かさが社会の基本原理であるかのような風潮にも強い懸念を覚えます。
 戦後60年を経過するなかで、私たちは、高度な成長を成し遂げ、物質的な豊かさを享受するにいたりました。しかし、その一方で、多くの人が、人間としての生きがいや心の豊かさを実感できなくなっているのではないでしょうか。
 また、経済活動だからといって、私たちの社会生活とのかかわりや結びつきを等閑視してしまってよいのでしょうか。
 折しも、わが国は、少子高齢の本格的な人口減少社会を目前にしています。成長から成熟への時代の大きな変革期を迎えているのです。
 こうした社会の変化に的確に対応しつつ、生活の質の充実や持続可能な社会の活力の維持をめざしていくためには、もう一度、家族をはじめ人と人とのきずなや結びつきの大切さを基本に、人の生活が営まれる地域社会の再構築が求められているのではないでしょうか。
 また、経済活動や企業活動にも、利益追求のみならず、社会的存在としての責任や節度が求められているのではないでしょうか。
 いまこそ、効率より選択、画一や標準より多様と個性、量より質の重視を基本とする成熟社会にふさわしい価値観やライフスタイルを確立し、社会経済の全般にわたる新たな枠組みを創っていかなければなりません。
 自己中心的で他を顧みない個人主義や、利益と効率を最優先する経済至上主義が蔓延するなか、私たちは、改めて、自然への畏敬のもと、他を思いやる細やかな感性と礼節をもって生きる共同の精神が、社会を支える原理であることに思いを致すべきです。
 もとより、自由や権利の大切さを否定することはできません。しかし、そもそも市場経済は、経済学の父アダム・スミスが提唱したように、人間相互の共感と信頼を前提とする自由競争の仕組みだったのではありませんか。
 自由は、気ままに自分勝手な振る舞いが許されることではありません。また権利は、それを支える社会的な枠組みがあってこそ認められるものです。本来的に、自由には自己規律が不可欠であり、権利には義務と責任が求められるはずです。
 社会の主役である一人ひとりが、自らの責任を自覚し、主体性をもって自律して行動することによってこそ、社会は信頼を取り戻せるのです。
 私たちは、いま一度、自らの生き方と社会のあり方を見直し、共感と信頼、そして共生と連帯を基本とする成熟の時代にふさわしい社会システムを再構築して、確かで明るい未来を切り拓いていかなければなりません。
 兵庫こそ、共感と信頼、共生と連帯であの震災を乗り越えてきただけに、その先頭を進んでいくべき責務を負っているのではないでしょうか。

(県政の基調)
 兵庫は日本の縮図、摂津、丹波、但馬、播磨、淡路の五つの国からなる広大な県土を擁し、大都市から農山漁村にいたる多彩な風土や生活文化を育んできました。高度な教育機関や豊富な文化資源が集積し、進取の気性と独創性に富んだ人々は勤勉で努力を惜しみません。
 こうした多様性と個性が兵庫の強みであり元気の源です。また、21世紀こそ専門性や独自の機能が一体となった総合性が発展の核になると言われています。
それぞれの地域の魅力に磨きをかけ、人々がその持てる能力を存分に発揮し、それらをつなぎ結ぶことによって、兵庫ならではの総合力が生まれます。
 あわせて、あの阪神・淡路大震災の被災地だからこそ、最近の世界中で頻繁に起こる自然災害に対して、私たちの経験や教訓を発信していかなければなりません。
 そのような兵庫だからこそ、21世紀の成熟社会のモデルになるという気概をもって、わが国が直面する諸課題に果敢に挑戦するとともに、大震災を経験した被災地として、国際的な活動にも積極的に貢献していく責務を負っています。
 このため、新年度においては、元気な兵庫をつくる、新しい兵庫をつくるという目標のもと、次の三つを基調に意欲的な県政を推進します。
 その第一は、ひょうごの安全と安心の確保です。
元気な兵庫づくりをめざすためには、まず、生活の安全と安心を確かなものにしなければなりません。
 第二は、ひょうごの元気の創出です。
 安全安心の生活基盤の上に、人と地域と社会の元気を創り、兵庫の大きな元気につなげます。
 第三は、ひょうごの自治の確立です。
 自らの意思で行動する主体性と、国に依存しない自主性を持たなければなりません。
 さて、いよいよ今秋、「のじぎく兵庫国体」と「のじぎく兵庫大会」が県下全域で開催されます。復興支援への感謝の心と県民総参加で大会に臨み、震災から新しく生まれかわった兵庫の元気な姿を広く全国にアピールしていこうではありませんか。これこそ、新しい兵庫の出発のシンボルとなると信じます。
 私は、これまでと同じく、参画と協働の基本姿勢のもと、県民本位、生活重視、現場主義の県政を推進し、成熟社会にふさわしい新しい兵庫、“美しい兵庫”の実現をめざしていきます。

 これより、新年度の重点施策についてご説明します。

(安全と安心の確保)
 その第一は、「安全と安心の確保」です。

 まず、総合的な防災、減災対策です。
 住宅再建共済制度については、昨年9月の発足以来、制度への理解を深め、加入促進を図っていますが、未だ6万5千戸にとどまっています。今後とも、自然災害に対する自らの備えであるとともに、相互扶助として他者への備えでもあることを訴えていきます。
 東南海・南海地震に備えねばなりません。津波対策として、浸水危険度をわかりやすく表示する3次元動画を提供するほか、南あわじ市において避難施設や防波堤等の整備に向けた調査を進めます。
 建物の耐震化では、県有施設の計画的な改修を急ぐ一方、取り組みが遅れている住宅の耐震改修について支援を強化し、その普及を図ることとしたほか、超高層建築物の減災対策についてE−ディフェンスを活用した研究も進めます。
 なお、耐震強度偽装問題に対応して、建築確認の民間開放以降の住宅について構造計算の再計算を推進するとともに、昭和56年6月以降着工の新耐震基準の住宅についても耐震診断を支援し、所有者等の不安解消に努めます。
 防災体制の整備では、災害発生後速やかにボランティア活動の調整が行えるよう、市町センターの立ち上げ訓練等を実施するほか、災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点となる病院の通信機能等を強化し、消防防災ヘリコプターによる災害映像情報の電送システム整備や、携帯電話を活用した外国人向けの情報発信にも取り組みます。
 初めて地方開催される三木総合防災公園での全国消防操法大会の運営を支援するほか、新たに阪神南地域における広域防災拠点の整備に着手するとともに、大規模災害時の首都圏に対する支援方策等の検討も進めます。
 一昨年の風水害からの復旧復興については、3年目となり、概ね復旧することができますが、引き続き治山治水事業の実施等を通じた再発防止に努めます。また、警戒ため池の計画的な整備を急ぐほか、風倒木の早期処理と跡地への造林を着実に進めます。
 このような大被害の要因が、山の管理が十分でないためであることに鑑み、県民緑税を活用して、緊急防災林、針葉樹林と広葉樹林の混交林、里山防災林、野生動物育成林を整備する「災害に強い森づくり」を推進します。

 次に、震災復興のフォローアップです。
 被災高齢者の自立を支えるため、生活援助員(LSA)や高齢世帯生活援助員(SCS)による見守り等とあわせ、新たに災害復興公営住宅に拠点を設け、社会福祉法人やNPOによる常駐型の支援を行います。また、被災地のにぎわい回復に向け、空き地の緑化やイベント開催など地域の実情に応じた複数の活動を一括して支援し、住民主体のまちづくりを促進します。
 このような残された課題に対する取り組みを進めるため、財団法人阪神・淡路大震災復興基金を、その基本財産を縮減して存続させるとともに、これに残事業をあわせた的確な事業実施を担保する基金を設けることとしました。
 震災復興10年総括検証の提言を踏まえ、その具体的な推進を継続的に図る必要があります。阪神・淡路大震災記念協会と21世紀ヒューマンケア研究機構を統合し、新たに「ひょうご震災記念21世紀研究機構」(仮称)を設立して、「安全安心なまちづくり」や「共生社会の実現」など、震災の教訓を内外に発信する被災地からの政策提言と事業展開をめざします。
 あわせて、県民みんなで「1.17は忘れない」取り組みを進めるため、被災地ウォークやつどいなど「ひょうご安全の日」の行事を実施するとともに、1月の減災月間を中心に、各地で実践的な防災訓練を行い、県民の防災、減災の意識向上に努めます。
 昨年の国連防災世界会議で採択された「兵庫行動枠組」の具体化を図るため、災害時の緊急対応など国際防災協力に要する資金として、2カ年で1億円を国連の基金に拠出します。また、JICA等と連携して国際的な防災研修機関の設置をめざします。

 次は、くらしの安全安心対策です。
  まず、食の安全安心への取り組みを総合的、計画的に推進するため、「食の安全安心と食育に関する条例」(仮称)を制定し、食品の安全基準の設定、適正な表示の確保など食の安全安心対策を進めるとともに、家庭、学校、地域における県民の食育推進活動を展開します。
 このため、独自の安全基準の検討、食品の履歴管理や監視体制の強化、県の認証食品の普及や県版HACCP認定制度の拡充等を図ります。また、正しい食習慣や食文化を学ぶ食育を進めるため、学校における地域農産物の利用やごはん給食の普及等に努めます。
 地域の防犯とまちづくりを推進するため、「地域安全まちづくり条例」(仮称)を制定して、子どもや高齢者等の安全確保に向けた地域ぐるみの取り組みを促進することとし、まちづくり防犯グループを中心に、概ね小学校区内の関係団体が連携して行う防犯活動を支援します。また、事業所における防犯責任者や地域の推進員の新設を定めるなど、県民あげての活動を展開します。
 街頭での客引き等の規制を強化する迷惑防止条例の改正とあわせ、歓楽街の環境浄化に向け住民と警察が一体となった監視、補導活動を展開するほか、昨年改正した愛護条例に基づく業者指導の強化等により、青少年の健全育成に努めます。
 警察活動では、すべての1人勤務交番に2名の相談員を配置するなど交番機能を強化する一方、駐車違反車両の使用者責任制度の創設に伴う事務の民間委託を導入することとしました。
 このほか、土日曜日の消費生活相談窓口を開設するとともに、住宅リフォーム業者の登録制度を新設して、悪質なトラブルの防止に努めます。
 新型インフルエンザ対策では、全庁的な取り組みを推進するため、連絡会議を設置するとともに、近く策定する実施計画に基づき、情報の早期把握と予防の奨励、医療体制の確保等に努めるほか、タミフルについて、その管理や流通のあり方などの検討も進めながら備蓄を図ります。
 アスベスト対策では、尼崎、塚口の県立病院で専門医療を引き続き実施するとともに、健診により経過観察が必要とされた方の検査や共同住宅等の吹付けアスベスト除去等への支援を行います。

 次は、“健康ひょうご”の推進です。
 県民が自らの健康は自らが守れるように、インターネットも活用して手軽に行う健康チェックの普及や、一人ひとりに合った健康増進プログラムの提供等を通じて、「まちの保健室」とも連携した県民運動「健康ひょうご21大作戦」を引き続き展開します。
 小児救急体制を拡充するため、阪神南と但馬に相談窓口を設置するとともに、阪神北圏域では広域急病センターを整備し、北播磨及び但馬圏域では拠点病院に対して支援を行う一方、こども病院の「小児救急医療センター」の整備を急ぎます。
 へき地等における医師対策のため、公募により県が採用した医師を一定期間派遣する仕組みを構築するほか、神戸大学及び兵庫医科大学と連携して地域医療特別講座を設け医師を確保します。
 県立病院では、東播磨・北播磨圏域の3次救急や生活習慣病等の新たな政策医療に対応する「新加古川病院」(仮称)の整備に着手するほか、塚口病院における成育医療、光風病院における精神科救急医療等の充実を図ることとしました。
 あわせて、がんやエイズ対策の推進、アレルギー疾患の診療体制の充実に努め、また、音楽療法や園芸療法の普及を進めます。
 改正介護保険法の円滑な実施を図るため、予防に重点を置いた事業を実施する市町への支援を強化し、地域において介護予防マネジメントや総合相談など包括的な支援を担うセンターの職員向け研修等も実施します。また、保険料の増嵩傾向を踏まえ、今後の介護保険のあり方を検討する委員会を設置します。
 高齢者が自立し、安心して暮らせる社会づくりに向けて、今後5カ年の行動計画となる「長寿社会プラン」(仮称)を策定し、県民や各種団体、行政等が一体となって取り組むこととしました。
 障害者の自立支援では、法施行を踏まえ、新基準による障害認定事務等を実施する市町の体制づくりを支援するほか、事業者の指定や適正指導、障害福祉計画の策定などを通じて圏域ごとのサービス基盤の整備に努めます。また、ユニバーサル社会づくりのモデル地区整備等を進めつつ、無料職業紹介所の増設や企業等への障害者インターンシップの拡大などにより、障害者雇用の促進を図ります。
 総合リハビリテーションセンターに、「障害者スポーツ交流館」を開設するほか、小児リハ病棟の整備を進めます。かねてから整備を進めてきた「西播磨総合リハビリテーションセンター」が本年7月オープンし、高度専門医療や人材養成、スポーツを通じた交流等の機能を担います。
 子どもの発達障害については、早期発見、早期治療の体制づくりをめざし、1歳6カ月児及び3歳児健診後の療育相談等を充実するほか、就学前教育と小学校教育の連携のあり方を研究するとともに、障害児一人ひとりの教育ニーズに応じた特別支援教育を行う私立幼稚園や保育所の受け入れ体制づくりを支援することとしました。
 そのほか、無年金外国籍の高齢者、障害者に対する福祉給付金を拡充するとともに、県福祉センターについて、県民、福祉団体等の県域レベルでの交流促進や情報提供、人材育成機能の強化をめざして建替整備に着手します。

(未来への期待)
 重点施策の第二は、「未来への期待」です。

 高齢化の進展とあいまって、少子化が進むなか、本県も2010年頃をピークに人口減少局面に入ると見込まれています。急速な人口構造の変化は社会にさまざまな影響を及ぼしかねません。したがって、子どもの数を増やす取り組みとともに、未来を担う子どもをどう育てていくか、さらには世代構成のバランスについて、県として取り組んでいく必要があります。このため、今年度中に策定する「少子・高齢社会ビジョン」(仮称)と、これに基づく「ひょうご子ども未来プラン」(仮称)を基本に、総合的な少子対策を推進します。
 まず、未来の親づくりへの支援として、新たに、市町の保健事業への取り組みと連携して妊婦健診を進め、安心して出産できる仕組みを整えるほか、不妊治療の助成期間を5年に延長します。
 子育て家庭への支援として、児童手当の支給対象を小学3年生から6年生に拡大します。あわせて所得制限を緩和し、乳幼児医療費助成についてもこれに準拠した緩和措置を講じます。また、多様化する保育需要に応えるため、当日一時預かりや休日保育の促進、私立幼稚園での長時間預かり保育の充実等を図るとともに、引き続き「小1プロブレム」に対応した幼稚園、保育所での在宅幼児の受け入れを行います。
 子育てと仕事の両立をめざす、男女共同参画社会づくりの取り組みとして、出産、育児により退職した女性の再就職を促進するため、最長3カ月の試行的雇用を実施する事業主に対して奨励金を支給するとともに、起業や在宅ワークを含めた総合的な相談やセミナーの実施等の支援を行います。
 地域ぐるみの子育て応援として、全小学校区での「子育て応援ネット」による子どもへの声かけや見守り活動の展開に期待するとともに、育児ファミリーサポートセンターによる一時預かりや保育施設への送迎等に加え、地域の小規模グループが育児を援助する「子育てファミリーサポートくらぶ」の運営を支援することとしました。あわせて、子育て先導事例の顕彰や父親子育てフォーラムも行います。
 また、「まちの子育てひろば」への専門家の派遣による相談機能の強化や、「子どもの冒険ひろば」と「若者ゆうゆう広場」のモデル事業の倍増等に努める一方、阪神地域における「こどもの館」のブランチ整備も検討します。
 深刻化する児童虐待については、虐待を受けた児童に対する学校現場での適切な対応を図るため、担当教員をサポートするコーディネーターを拠点となる教育事務所に配置することとしました。
 家庭内暴力については、女性家庭センターの法律相談や一時保護所を拡充し、県内3カ所で民間シェルターの運営を支援するなど、被害者の救済と自立支援を進めます。

 次に、学校教育、地域教育の充実です。
 児童生徒一人ひとりの発達段階に応じた教育を進め、個性や能力を伸ばすため、小学校低学年への35人学級編制を段階的に導入することとし、新年度は2年生に拡大します。また、小学校1、2年生の複数担任制や3年生以上の少人数学習集団の編成、5、6年生の教科担任制を引き続き実施します。
 基礎学力の向上に向けた指導方策の研究等を行うほか、よくわかる理数科教育をめざす授業発表会や教材コンテストを実施し、高等学校では、伝統芸能や文化史などを通じて日本史教育を推進します。
 障害児教育については、県立盲、聾、養護学校の整備や高等部教育の充実等を内容とする特別支援教育推進計画を策定します。また、注意欠陥・多動性障害等の発達障害や不登校の児童などに的確に対応するため、学級運営に特別な支援が必要な小学校に2百名のスクールアシスタントを配置することとしました。
 心の教育を充実するため、スクールカウンセラーを、中学校に引き続き、拠点となる小学校に配置します。
  体験教育では、昨年実施した高校1年生の地域貢献活動「トライやる・ワーク」や2年生の就業体験に続き、中学1年生が芸術文化センターで参加型の音楽鑑賞を行う「わくわくオーケストラ教室」を実施することとしました。
 地域の人々や先輩の参画を得て実施する「いきいき学校」応援事業の成果の普及をめざし、テレビに加えケーブルテレビでの放映を実施するとともに、「ふるさと文化いきいき教室」の実施校を拡大するなど、地域で育む教育を進めます。
 県立大学では、産学連携共同実験棟の整備や会計専門職大学院の開設準備、環境人間学研究科の人材育成新部門の設置準備を行うとともに、付属高校にいたる一貫教育を行う中学校の開学に向けて必要な整備を進めます。

 次に、科学技術の振興です。
 大型放射光施設では、X線自由電子レーザーの建設が進み、世界最高性能の光分析・計測システムにより、さまざまな科学技術分野における新たな研究の拡がりが期待されます。
 本県としては、2本の県ビームラインを活用した共同研究を支援するとともに、分析室や共同研究室等を備えた「ナノテクノロジーセンター」(仮称)を整備し、ナノ材料開発の拠点づくりを推進するなど、放射光の産業利用の支援体制を強化します。隣接する中型放射光施設ニュースバルについては、産学連携の一層の促進に向けた検討を進めます。
 平成19年度以降の次期IT戦略を策定するとともに、携帯電話不感地区の解消に努めるなど地域の情報格差の是正に取り組むほか、次期情報ハイウェイの実施設計も行います。また、昨年開校したカーネギーメロン大学日本校と連携した高度な人材養成など、情報セキュリティ対策を進めます。

 続いて、芸術文化、スポーツの振興です。
 芸術文化センターは、開館以来の観客数がこの1月で早くも10万人を突破するなど、高い関心を集めています。引き続き、世界三大オペラに数えられる「メトロポリタンオペラ」の来日公演やピッコロ劇団による「ハムレット」など、質の高いラインアップで文化復興のシンボルとしての魅力を存分に発揮します。また、付属管弦楽団は、オーケストラ、室内楽など88公演を行うとともに、福祉施設をはじめ県内各地に出向くアウトリーチ活動も積極的に展開します。
 兵庫陶芸美術館では、開館記念の「バーナード・リーチ展」や、現役作家の作品に触れる「陶芸の現在、そして未来へ」の実施等により陶芸の魅力を広く発信するほか、若手陶芸家の養成や講座の実施、地域連携によるイベント開催等により陶芸文化の郷づくりを進めます。
 また、県立美術館では「ホイットニー美術館コレクション展」や「エコール・ド・パリ展」など魅力ある特別展を開催します。
 このほか、新進、若手芸術家等が自らの活動を紹介し、地域の芸術文化情報も収集できる交流の場を提供する一方、農村歌舞伎や能、狂言、いけばな、茶道、日本舞踊等の伝統的な芸術文化活動を支援するとともに、明石薪能を復活するなど伝統文化の振興に努めます。
 参加体験型の新しいスタイルの博物館をめざす「県立考古博物館」(仮称)の整備を進め、先行展の開催やアマチュア考古学者の養成事業などのソフト事業を実施します。

 今年は、兵庫県で50年ぶりの国民体育大会が開催されます。正式、公開あわせて40の競技が展開され、全国で約2万5千名、本県からは千名を超える選手団が参加します。震災時に寄せられた支援への感謝を表す国体、県民総参加の国体、そして新しい国体をめざした取り組みを進め、阪神・淡路大震災からの復興を果たした兵庫の姿を全国に発信していきます。
 県民こぞってありがとうの心を込めて、民泊の実施や交流会、歓迎会等を行うほか、競技会場や周辺道路等の緑化、美化などオンリー1「ふるさとの顔」づくり事業を推進します。また、会場案内や競技、行事のサポート役を務める「のじぎくパートナー」やスポーツクラブ21を中心とした市町推進員等の参画を得て、県民みんなで大会を盛り上げます。
 従来の夏季・秋季大会に替えて一体として開催し、今後のモデルとなる新しい国体を創ります。また、史上初めて全競技の映像をインターネットで配信するとともに、自動体外式除細動器(AED)をすべての競技会場や県立施設、選手等の宿泊施設へ配備します。
 続いて開催される全国障害者スポーツ大会「のじぎく兵庫大会」と、そのオープン競技となる全国精神障害者スポーツ大会については、競技運営はもとより、選手団の案内や介助などのもてなし、手話通訳等の情報支援などに万全の体制で臨みます。

(地域の元気)
 重点施策の第三は、「地域の元気」です。

 本県経済は、設備投資や輸出入が堅調に推移し、雇用面でも求人数の増勢が続いており、非製造業など一部に弱さが残るものの、回復から進展へと確実に基調を変えつつあります。引き続き「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」を着実に推進し、全国平均を下回る有効求人倍率の向上や依然として厳しい中小企業、商店街の振興を図るとともに、本県の強みである「ものづくり」を生かした足腰の強い産業構造を築きます。
 企業や大学、研究機関等の集積を生かし、連携して、ナノテク、人工知能、健康、環境・エネルギーの成長四分野における先端技術の開発や新事業の創出を進める「ひょうご産学集積群(クラスター)」の形成をめざします。
 このため、産学官連携によるハイレベルの研究開発を行う県版COEプログラムの拡充や、新産業創出支援事業の実施などにより、新製品、新技術の開発と事業化を促進します。
 また、地域における技術支援の核となる神戸、阪神、播磨のものづくり支援センターの共同利用設備を充実するとともに、工業技術センターの機能強化に向けた整備計画を策定します。
 ものづくり人材大学校の平成20年度開校をめざし、基本計画の策定を急ぐとともに、先行事業を積極的に展開します。
 このため、実践的な人材育成として、企業現場で熟練技能士の技を学ぶ「未来の匠育成事業」などに取り組むほか、工業高校の生徒等による「ものづくり工場」への就業体験も実施します。また、ひょうごものづくりフェアの開催や中学校への「ひょうごの匠」出前講座など青少年向けの多彩な体験事業を行います。
 中小企業の制度融資として、第三者保証人要件を撤廃し、企業の資金需要にきめ細かく対応するとともに、中小企業の設備投資意欲に応えるため、昨年を上回る3千3百億円の資金を確保します。地域への金融還流を促進するため、貸し倒れリスクの一部を県が損失補てんすることにより金融機関からの貸し出しを促す支援制度をさらに充実します。あわせて、政府系金融機関の見直し等の環境変化を踏まえ、今後の地域金融のあり方を検討します。
 中小企業のやる気を伸ばすため、「中小企業支援ネットひょうご」を強化し、経営戦略や商品改良、販路開拓の支援などを進めるほか、中心市街地等での事業所向けサービス業の開業を支援します。また、経営革新に取り組む企業を対象に、現場判断に即応した機動力を発揮するため、ひょうご産業活性化センターによる無利子貸付を創設します。
 地場産業の新分野進出等を支援するほか、春秋の「神戸コレクション」にあわせたファッション関連のイベント開催や、平成20年に姫路で開催される全国菓子大博覧会への準備支援などにより、兵庫の地場産業をアピールします。
 商店街の振興では、まちづくりの観点から、育児サービスの提供、学童見守りへの取り組みなど個性と特色のある商店街づくりをめざす先導的な活性化事業や、地域一体となった集客イベントの開催を支援するほか、大型空き店舗への入居促進や隣接商店街の集客対策等を進めます。
 企業の立地促進では、外資系や首都圏企業に加え、県内、近畿圏の企業誘致への取り組みを強化することとし、産業集積条例に基づく支援策を活用しながら、戦略的な取り組みを進めます。また、県内投資にもつながる経済交流の拡大をめざし、神戸・ひょうご南京事務所の機能強化や、中国江蘇省との双方向の投資・交易の促進のほか、友好姉妹提携25周年を迎える西オーストラリア州への代表団派遣とあわせたトップセールスを行います。平成19年に神戸で開催される世界華商大会の受け入れ準備や、ブラジル事務所の体制強化も行います。
 雇用対策では、就職支援と能力開発をワンストップで支援する「しごと情報広場」の相談機能を拡充するほか、学生や若年失業者の早期就職を支援する「若者しごと倶楽部」のサテライトを阪神、播磨地区に設置します。また、「シニアしごと倶楽部」の活動等を通じた中高年齢者の就職促進も進めます。
 一方、多様な働き方を支援するため、コミュニティ・ビジネスの育成支援や生きがい就業の場の提供、ワークシェアリングの促進等にも努めます。

 次に、農林水産業の振興です。
 21世紀の農の時代の実現をめざす新たな「ひょうご農林水産ビジョン」に基づき、自然産業として多面的な公益機能を高めつつ、生活や文化と結びついた農をめざし、大都市をひかえた農業地域であることなど兵庫の特色を生かした農林水産業を確立していかなければなりません。
 このため、まず地域農業の担い手として、認定農業者の育成や集落営農の組織化、法人化を計画的に進めるほか、農地の利用集積を促進するとともに、担い手対策資金の融資枠を一元化して、使いやすい制度資金をつくります。
 また、農地の公益的な機能を維持するため、小規模農地のほ場整備事業の創設などの保全対策を進め、遊休農地の再利用の促進や発生防止への取り組み支援、公的管理のモデル事業も実施します。
 売れる農産物づくりとして、おいしい県産米のPRや酒米の新品種の育成研究に努めるほか、丹波黒大豆の生産振興や但馬牛の1万8千頭への増頭を図ります。また、流通加工施設の整備など卸売市場と生産者が連携した流通拡大対策を支援します。
 県産農産物の地産地消を進めるため、生産者と消費者を結ぶ直売所の設置を促進するほか、品質管理の導入や農産加工品フェアの開催などにより、一層の販路拡大を支援します。
 生活の中に農を取り入れ、自然をともにする楽農生活の拠点として、今秋、神戸市西区に「兵庫楽農生活センター」が開設します。すでに先行的に進めてきた就農、アグリビジネス、生きがいづくりなどの農業研修や農業体験に加え、障害者も対象とした体験教室を実施します。また、団塊世代の帰農、就農への関心も踏まえ、滞在型市民農園を整備します。
 昨年の全国育樹祭では、山、川、海の自然の大切さ、その中で森の果たす役割の大きさを訴え、ひょうごの森づくりを全国に発信しました。これを契機に、10月最後の日曜日を「ひょうご森の日」と定め、県民あげて森の管理、活用を進めていきます。そして引き続き、新ひょうごの森づくりとして、森林管理100%作戦、里山林整備やボランティア育成1万人作戦など、県民総参加の取り組みを展開するとともに、住民参画型の「里山ふれあい森づくり」も進めます。
 県産木材の利用拡大をめざし、供給センターの事業化に向けた検討に着手するほか、県産材を使用した木造住宅への特別融資を拡大します。
 日本海、瀬戸内海を擁する兵庫の特色を生かして、水産業の振興を図り、海の環境改善にもつながる栽培漁業を推進するとともに、離島の漁業や漁村の活性化を図る支援交付金の創設、魚礁、増殖場の再生に向けた調査を行います。また、漁業振興資金を拡充して、低利の「豊かな海づくり資金」を創設します。

(新しいふるさとづくり)
 重点施策の第四は、「新しいふるさとづくり」です。

 まず、環境優先の社会づくりでは、昨年、モントリオールで開催された国連気候変動会議において、京都議定書の運用ルールが確立され、2013年以降の温室効果ガス削減に向けて、米国や途上国も含めた対話の場が設置されるなど、地球温暖化防止に向けた国際的な動きが大きく前進しました。
 本県としても、地域からの温暖化防止に取り組むため、率先行動計画に基づく県有施設の省エネルギー化を進める一方、新たに住宅用太陽光発電設備の設置を支援し、グラスパーキングの普及や保水性舗装等の導入によるヒートアイランド対策にも積極的に取り組みます。
 また、再生可能なエネルギーとして注目されるバイオマスの一層の活用に向け、遊休農地等を利用した資源作物の実証栽培を行うとともに、菜の花エコプロジェクトや食品残さの飼料化、間伐材等を利用した発電などを推進します。
 廃棄物対策では、県民、事業者のごみの削減目標や分別収集の促進などを盛り込んだ新たな「廃棄物処理計画」を策定するとともに、行政と住民が一体となった不法投棄監視体制の強化を図り、地域全体でごみ減量に取り組みます。
 ディーゼル自動車等の運行規制については、引き続き制度の周知に努めるほか、監視体制の一層の強化と低公害車等への買い替え支援措置の充実を図ります。
 こうした取り組みを進めるためには、県民が環境問題を自らの課題と受け止め、理解を深め、実践につなげていくことが大切です。そこで、新年度は特に、兵庫ならではの資源を活用した環境学習の機会を多彩に提供することとしました。
 森・川・海をフィールドに、生態系の保全の大切さを体験しながら学び、実践活動へつなげる「エコオープンカレッジ」の開講や、環境保全と創造に向けて行動する「エコプレーヤー」の養成などに取り組み、環境学習の相談や活動団体の交流促進など総合支援機能を拡充します。
 また、小中学校で体験型の環境教育を推進する指定校を倍増するとともに、「学びの農」を推進するため、農山漁村での暮らしや農作業の体験事業を拡充します。
 さらに、環境学習の拠点として、参加・体験型プログラムを通じて地球温暖化対策への理解を深める「エコハウス」を播磨科学公園都市に開設するほか、広大な自然の中で森に親しむ「国見の森公園」(仮称)の整備や、海とふれあう観察活動棟の整備など「母と子の島」の機能強化を図ります。
 コウノトリの自然放鳥を機に、地域全体を自然と共生するモデルエリアとする自然博物館構想を推進し、野生復帰への取り組みの歴史や意義を学ぶ中核施設と、環境優先型の地域づくりやエコツーリズムの拠点としてのフィールドミュージアムの整備をめざします。あわせて、こうした取り組みの他地域への波及をめざし、環境創造型農業を促進します。
 人と野生動物の豊かな共存をめざし、「森林・野生動物保護管理研究センター」(仮称)の開設準備に取り組むほか、特定外来生物の防除対策を強化します。
 瀬戸内海をかつての豊饒の海に再生するため、新たな法整備を国に働きかけていくとともに、フランスで開催される第7回国際エメックス会議に参画します。

 次は、個性ある地域づくりと交流の促進です。
 地域の魅力となる歴史文化遺産や優れた景観をまちづくりに活用するため、県独自の登録文化財制度を創設するほか、県内各地の優れた景観資源の調査を行います。
 地域の個性に磨きをかける多彩なプロジェクトを積極的に推進します。旧宝塚音楽学校の保存・利活用の支援や、南但馬歴史・文化ミュージアムの推進、高砂みなとまちづくり構想や銀の馬車道プロジェクトの推進など、地域の歴史と文化、自然を生かした取り組みを進めます。
 また、淡路島まるごとミュージアム構想、西播磨「水と緑の郷づくり」構想など、地域全体をフィールドにした特色ある地域づくりを促進するとともに、丹波マツタケ復活の森整備や大納言小豆のブランド化に取り組み、六甲山の国立公園編入50周年記念イベントや阪神南なぎさフェスタ、北播磨での花と緑の交流フェスティバルなどの魅力ある地域イベントを展開します。
 このほか、宝塚北部の里山を楽しむ阪神野外CSR施設の整備や、開園30年を迎えるフラワーセンターの機能強化に向けたプロポーザルの実施に取り組み、グリーンピア三木については、民間ノウハウの活用や三木総合防災公園との連携を進めます。
 交流基盤の整備として、新たな社会基盤整備基本方針のもと、身近な生活道路を中心に、今後5年間で未改良区間の整備や歩道の連続性確保等を進める緊急事業を実施し、危険な踏切等を10年間で半減します。
 また、国体開催までに北近畿豊岡自動車道春日和田山道路の供用を開始し、中国横断自動車道姫路鳥取線及び第二名神高速道路の整備を促進します。大阪湾岸道路西伸部の事業化に向けた都市計画決定手続きや、播磨臨海地域道路の早期具体化へ向けた取り組みも推進します。
 播但連絡道路の料金引き下げを本格実施して、地域間交流の促進、北近畿豊岡自動車道とのネットワークの活用、周辺道路の渋滞緩和等を行います。また、阪神高速道路湾岸線での環境ロードプライシング社会実験により沿道環境の改善を図ります。
 鉄道については、JR姫新線の高速化や福知山線の利便性向上、播但線や山陰本線の高速化の検討等を進めるとともに、余部鉄橋の架け替えを推進するなど、列車運行の安全性を確保するための設備改良も促進します。
 去る2月16日、兵庫の新たな空の玄関口となる神戸空港が開港し、いよいよ関西、大阪、神戸の三空港時代の幕開けを迎えました。国際拠点空港、国内基幹空港、地方空港として相互の機能連携により、圏域人口2千5百万人を擁する関西の幅広い交流基盤として、人、モノ、情報の新しい流れを創っていきます。
 ツーリズムの振興では、中国など海外からの団体観光客の誘致に努める一方、集客イベントや地域ぐるみの観光地の魅力アップ事業を支援し、引き続き多彩なツーリズムバスへの助成を行います。また、フィルムコミッションネットワークを創設し、撮影適地ガイドブックの作成など映画ロケの誘致にも取り組みます。
 兵庫、大阪、京都の三府県連携事業として、インターネットによるツーリズム情報の海外発信、11月開催のタイ国際園芸博覧会への出展、2008年サミットの関西への誘致に取り組みます。
 多文化共生社会の実現をめざし、日本語や母国語教育が必要な外国人児童生徒の増加を踏まえ、学校現場へのサポーターの派遣や地域での教育を充実するとともに、外国人児童の就学実態の把握と就学支援を進めるほか、私費留学生への奨学金を拡充します。

 次に、快適空間の創出です。
 尼崎21世紀の森において、中央緑地にスポーツ健康増進施設を開設するとともに、都市再生へ向けた理念を発信する森びらきイベントを開催します。また、潮芦屋や神戸三田国際公園都市等において、民間事業者との協働によるまちづくりを進めます。
 住民等による緑化活動を通じて都市の防災機能の向上や環境改善、修景を図り、まちなみ緑化を推進します。また全県花いっぱい運動を推進するとともに、緑条例に基づく「環境形成区域」の全県指定により、緑の保全と活用を図ります。
 多自然地域での定住等を促進するため、空き家の保全や利活用、交流体験イベントや田舎暮らしをサポートするNPO等の取り組みを支援するほか、地域自らが行う都市住民のための菜園付き住宅や一時滞在施設等の整備を支援します。
 中心市街地の活性化に向けて、再開発ビルのリニューアルや空きビルの再生を支援する一方、明舞団地などニュータウンの再生方策を検討します。また、広域土地利用プログラムを策定し、大規模商業施設の立地の適正化を図ります。

(参画と協働の推進)
 重点施策の第五は、「参画と協働の推進」です。

 「21世紀兵庫長期ビジョン」の推進については、18年度から5年間の第2期「地域ビジョン推進プログラム」と「全県ビジョン推進方策」を県民の皆様とともに策定し、地域ごとに県民と行政が協働して取り組むシンボルプロジェクトなどさまざまなプログラムを展開します。また、多世代が参加し、県内各地の多彩な活動をつなげる「みんなの夢会議」の開催や、全県ビジョン推進方策の的確なフォローアップに取り組みます。 県民の主体的な実践活動や交流を支援する県民交流広場事業については、2年間のモデル事業の検証を踏まえ、地域の自主性を生かす柔軟な枠組みのもと、本格的に展開します。
 ボランタリー活動の促進として、ボランタリープラザを中心に、活動資源のマッチング事業等を行うほか、退職予定者などを対象に地域づくり活動への参加のきっかけとなるミニ体験教室等も実施します。
 高齢者の高い学習ニーズに応え、より専門性の高い実践的な人材を養成するため、いなみ野学園に新たに大学院を設置するとともに、成熟社会にふさわしいライフスタイルづくりを支援するため、加古川総合庁舎の建て替えにあわせて、東播磨生活創造センターを一体的に整備します。
 広報広聴活動については、県ホームページのリニューアルや大学生と協働した若者向け広報活動の展開など、効果的な県政情報の提供に努めるとともに、県民モニターやさわやか提案箱等の多様な広聴チャンネルを整えます。

(行財政構造改革の推進)
 以上の政策を実施するためにも、行財政構造改革を推進しなくてはなりません。
 新年度の財政環境は、好調な企業業績や、その消費への波及を反映して、県税収入の増加が見込まれるものの、これに伴い地方交付税等が減少する結果、一般財源総額は前年度並みと見込まれます。一方、福祉関係経費や退職手当など義務的経費が増嵩することから、引き続き厳しい状況が続きます。
 このため、新年度の予算編成では、選択と集中を徹底し、効率性、必要性、市町や民間との役割分担の観点から事務事業を総点検して、約1千8百項目、263億円に及ぶ整理合理化を図りました。
 成熟社会にふさわしい行財政システムの確立に向け、行政課題即応型の効率的な組織体制を整備するとともに、給与については、人事委員会勧告に基づき、地域の実情に即した給与体系、勤務実績の給与への一層の反映など給与構造の改革を行います。
 また、89の県立施設とすべての県営住宅について指定管理者制度を導入し、民間ノウハウの活用が期待できるものについては、原則として公募により、順次事業者を選定することとしました。
 三位一体の改革については、昨年に続き、全国知事会や県自治体代表者会議等との連携のもと、地方の自立につながるさらなる改革の実現を国に強く求めていきます。特に地方交付税については、全国知事会の地方交付税問題小委員会を中心に、広く制度の必要性を訴えるとともに、あるべき姿の検討も進め、骨太の方針2006などに反映されるよう、積極的に国に働きかけていきます。
 この4月には県内市町は29市12町の41となります。合併市町の連携強化のため、引き続き、必要な県道整備を重点的に実施するほか、合併後の市町運営が円滑に進むよう支援していきます。あわせて、この29市12町の新たな兵庫の枠組みのもと、市町の規模や地域の実情に応じた、ポスト合併期にふさわしい県と市町の役割分担や支援のあり方について検討を進めます。

(条例・事件決議)
以上の方針のもとに編成した平成18年度の歳入歳出予算は、
   一般会計         「2兆 744億3,300万円」
   特別会計        「1兆2,546億7,100万円余」
   公営企業会計歳入   「1,557億4,700万円余」
   同    歳出 「1,958億 400万円余」です。

 次に、条例につきましては、食の安全安心と食育に関する条例等44件です。従来、地方税法の改正直後において、直ちに施行する必要がある改正事項について専決処分していた県税条例を事前に県議会でご審議いただくため、国会における法案審議と並行して、今回上程することとしました。

 事件決議につきましては、公の施設の指定管理者の指定を含め、76件です。

 以上で平成18年度の主な県政施策と諸事業の説明を終わります。
 議員の皆様には、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。